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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
2016/4/1(No.040)
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[目次]
1.東電福島第一原発事故トピック
【No.40】5年目の「メルトダウン」──変わらない東電の隠蔽体質
2.メルマガ後記「規制庁の奇妙な対応」
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1.福島第一原発事故トピック
5年目の「メルトダウン」──変わらない東電の隠蔽体質
<突然の発表、記者も混乱>
2016年2月24日、東電は突然、炉心溶融と判断するための基準が社内マニュアルに明記されていたことを発表した。マニュアルの名前は「原子力災害対策マニュアル」。発表によれば、炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判断することになっていたという。事故から5年を迎える直前の「発見」だった。
東電は、事故原因の調査を続けている「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」(以下、技術委員会)が昨年来、事故当初の広報のあり方を検証する中で説明を求めていたのに対し、当時の小森明夫常務、清水正孝社長、発電所関係者のコメントを添えて、メルトダウンの共通認識はなかったことを説明。2015年12月16日の技術委員会で五十嵐信二原子力運営管理部長は、「定義ということはやはり明確にみんな認識はしていなかった」と述べている。(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/813/1012/151216%20gijiroku.pdf
)
しかし、定義はあったのである。
東電は、「つい最近、当時のマニュアルを確認して“発見”された」(白井功原子力立地・本部長代理)と説明したが、新潟県の泉田裕彦知事は「事故後5年もの間、このような重要な事実を公表せず、技術委員会の議論に真摯に対応してこなかったことは、極めて遺憾」というコメントを発表。東電の姿勢を強く批判した。
泉田知事のコメントとともに、このときの東電の発表方法を考えると、事故後5年間、情報発信に後ろ向きな東電の姿勢は変わっていない都市か思えなかった。
なんと東電は、この重要な事実の発表を東京本店の会見室で行わず、原子力規制庁の隅で、立ったままの囲み取材という形で行ったのである。
約1時間に及んだ発表会見では、なぜ本店で会見しないのかという批判も出た。白井本部長代理は、「当時の通報、報告に誤りがあったわけではないので、本店での臨時の会見というよりは、こちらでの説明にしたいと判断した」と述べ、本店で会見するほどの重要事項ではないという認識を示した。
ちなみにこの日は、原子力規制委委員会が、関西電力高浜原発1、2号機の40年を超える運転期間延長を了承した日でもあった。そのため記者から、東電が恣意的に大きなニュースにぶつけてきたのではないかという指摘もあった。
そもそも東電はなぜ規制庁で発表をしたのだろう。
東電は一昨年7月から、週3回の会見を2回に減らした。しかし福島の地元記者に対しては、1日に2回のブリーフィングを毎日、実施している。
この回数の差を埋めているのが、規制庁でのブリーフィングだ。東電は、時間が不定ながらもほぼ毎日、規制庁に足を運び、記者室の隣のスペースでブリーフィングを行っている。しかしこのブリーフィング、記者からも非常に評判が悪い。時間が決まってないこともあり、規制庁に人数を避ける社はともかく、人的制約で人を置けない社は、ブリーフィングに出られないからだ。また記者側からすると、東電が勝手に規制庁に来て説明をしていくブリーフィングに参加するのは、規制庁の場所の使い方を考えても褒められたものではない。
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