物事はリスクとリターンの両方を考慮して判断しなければなりません。 天鳳であれば、期待ポイントとか局収支などといった「期待値」はリターンの話です。 「期待ポイントの最大化」という話はリターンしか考慮に入れていない短絡的な思考法です。 例えば預金の収益の期待値の0.1%ですが、株式の収益の期待値は5%等です。これだけを見て株式に投資する人はいませんね?リスクが違うからです。 リスクは標準偏差・分散等で測ります。標準偏差は((S1-m)^2+(S2-m)^2+…)/サンプル数)^(1/2)あるいは((S1-m)^2*S1の確率+(S2-m)^2*S2の確率+…)^(1/2)で求めます。分散は標準偏差の二乗です。 預金の標準偏差はゼロ、株式はだいたい20%程度です。 預金は低リスク・低リターン、株式は高リスク・高リターンなので、どちらが確実に良いという話ではなく判断の問題になります。追加的にリスクをどの程度負担した場合、どの程度のリターンが必要か、という話については色々な定式化がありますが、答えはありません。つまり低リスク・低リターンと高リスク・高リターンのどちらが良いのかははっきりとした答えはありません。 確実にいえることは、「同じリスクならリターンは高いほうが良い」、「同じリターンならリスクは低いほうが良い」ということです。(これを一般的にリスク回避型といいます。) 「期待ポイントを最大にする考え方」というのは、上記の例で言えば、株式のリターンが高いので株式が良い、という考え方です。リスクの概念が抜け落ちています。 天鳳の話に戻ります。 打牌aは80%の確率で+45、20%の確率で-135とすると、 打牌aのリターン=Ra=9 打牌aのリスク=σa=72 打牌bは64%の確率で+90、36%の確率で-135とすると、 Rb=9 σb=108 打牌bは65%の確率で+90、35%の確率で-135とすると、 Rb=11.25 σb=107.32 打牌a~cのどれを選びますか? リスク回避型を前提に考えますと、a>b、c>bは確実にいえますが、aとcの優劣は不明です。 例えば正規分布を前提に、打牌aは95%の確率で-135~153ポイントの間で収まる、打牌cは95%の確率で-203~226の間に収まることを比較して判断することもあるでしょう。(-150ポイントだとチャオってしまい許容できないので打牌aを選択、等) 「期待ポイントを最大にする考え方」で言えば、c>a=bとなりますが、リスクを含めて考えますと、おかしい事は明らかです。 もちろん、上記考え方を実践で活かせるかは不明(そんなことを考えている暇はない)ですが、研究レベルではリスクも考慮した理論を展開してほしいものです。
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物事はリスクとリターンの両方を考慮して判断しなければなりません。
天鳳であれば、期待ポイントとか局収支などといった「期待値」はリターンの話です。
「期待ポイントの最大化」という話はリターンしか考慮に入れていない短絡的な思考法です。
例えば預金の収益の期待値の0.1%ですが、株式の収益の期待値は5%等です。これだけを見て株式に投資する人はいませんね?リスクが違うからです。
リスクは標準偏差・分散等で測ります。標準偏差は((S1-m)^2+(S2-m)^2+…)/サンプル数)^(1/2)あるいは((S1-m)^2*S1の確率+(S2-m)^2*S2の確率+…)^(1/2)で求めます。分散は標準偏差の二乗です。
預金の標準偏差はゼロ、株式はだいたい20%程度です。
預金は低リスク・低リターン、株式は高リスク・高リターンなので、どちらが確実に良いという話ではなく判断の問題になります。追加的にリスクをどの程度負担した場合、どの程度のリターンが必要か、という話については色々な定式化がありますが、答えはありません。つまり低リスク・低リターンと高リスク・高リターンのどちらが良いのかははっきりとした答えはありません。
確実にいえることは、「同じリスクならリターンは高いほうが良い」、「同じリターンならリスクは低いほうが良い」ということです。(これを一般的にリスク回避型といいます。)
「期待ポイントを最大にする考え方」というのは、上記の例で言えば、株式のリターンが高いので株式が良い、という考え方です。リスクの概念が抜け落ちています。
天鳳の話に戻ります。
打牌aは80%の確率で+45、20%の確率で-135とすると、
打牌aのリターン=Ra=9
打牌aのリスク=σa=72
打牌bは64%の確率で+90、36%の確率で-135とすると、
Rb=9
σb=108
打牌bは65%の確率で+90、35%の確率で-135とすると、
Rb=11.25
σb=107.32
打牌a~cのどれを選びますか?
リスク回避型を前提に考えますと、a>b、c>bは確実にいえますが、aとcの優劣は不明です。
例えば正規分布を前提に、打牌aは95%の確率で-135~153ポイントの間で収まる、打牌cは95%の確率で-203~226の間に収まることを比較して判断することもあるでしょう。(-150ポイントだとチャオってしまい許容できないので打牌aを選択、等)
「期待ポイントを最大にする考え方」で言えば、c>a=bとなりますが、リスクを含めて考えますと、おかしい事は明らかです。
もちろん、上記考え方を実践で活かせるかは不明(そんなことを考えている暇はない)ですが、研究レベルではリスクも考慮した理論を展開してほしいものです。