ついに決定!第1回「歌ドカワ」短歌アワード!
ニコニコと短歌専門雑誌・月刊「短歌」(発行:KADOKAWA)とのコラボレート企画「歌ドカワ」において、
ニコニコ動画を代表する現代歌人を選び出す第1回「歌ドカワ」短歌アワードが行われ、
2月26日のニコ生でついに受賞作が決定いたしました!
ニコ生のビデオメールとTwitterをつうじて、「リア充」をテーマにした短歌の部門と、自由題部門の2部門であわせて605首ものご応募をいただきました。応募作品から、歌人の松平盟子さんと穂村弘さん、歌い手のビートまりおさん、月刊「短歌」の石川編集長の4名が各部門1首を個人賞として選び、さらに個人賞受賞作4首の中から、ニコ生内のアンケートでユーザーのみなさんが「歌ドカワ」短歌アワードを選び出していただきました。
各部門の頂点に立ったのは次の歌です!
【題「リア充」部門】
リア充よりもリアルを生きて、
見よかくも完璧に腐り尽くした蜜柑 (Sahara)
【自由題部門】
診察を待つ母の手を握りおり
昼の月にも兎のおりて (詩穂)
「リア充」部門の受賞作について、松平盟子さんからは
「人になんと言われようと、自分にとって(大切なことを)全うできればいい。こんな蜜柑のように生きてみたいと思った」
穂村弘さんからは
「この『見よかくも』という文体がいい。古めかしいのに、意味がくっきり伝わってくる」というコメントがありました。生放送中にも穂村さんが「『みよかくもかんぺきに』という中に<みかん>が隠れている」
と指摘されましたが、こういった音感や仕掛けも受賞の大きな要因となりました。
自由題部門は、1回目のユーザーアンケートで
「ハイヒール脱いだ裸足のつちふまず君のからだをつくる曲線」(@ginkgoBiloba_N)と全くの同率となり、決選投票の結果、僅差で受賞が決まりました。
受賞作について穂村さんは
「病気になったら自分を病院に連れて行ってくれたお母さんも年を取り、今は、病院に連れて行く立場が逆転したんじゃないのかな。自分が子供の頃に、くっきりと夜空に輝く月を指して『月に兎がいる』と教えてくれた、そして当時は元気だっただろうお母さん。それに対して、現在の、立場が逆転したけれども、そこにいるお母さんと、昼のうっすらとした――でも、確かにある月や<月の兎>の存在を対照させている。一見飛躍があるようだけれど、そこに詩情がある」と解説。
ちょっと意外なことに、「見よかくも」や「握りおり」といった、少し硬い印象のある文体の作品がユーザーの支持を得て受賞しました。
なお、3月4日(土)には、大学短歌会(大学の短歌サークル)対抗が3人一組で歌の良さを競う「第3回 大学短歌バトル2017――学生短歌会対抗 超歌合」が、同じ「歌ドカワ」チャンネルにて放送予定。こちらもぜひご覧ください!
番組冒頭では選者の松平盟子さんと穂村弘さんの代表作が、ご自身による解説と共に紹介されたあと、レギュラー司会の石山蓮華さんの「それではここで……ぶっこんでいいですか?」という不穏な宣言が……(!?) なんと! 1月23日のニコ生で行われた、付け句(あらかじめ提示された上の句(5・7・5)に、下の句(7・7)を付ける)を、松平さんと穂村さんも作ってきてくださったというのです!
――元々の付け句は1月23日放送分の、松平さんと穂村さんの付け句については2月26日の放送分の、タイムシフトで確認してくださいね。
いよいよ、「歌ドカワ」短歌アワードの個人賞の発表へ……と移る前に、穂村弘さんの著作をきっかけに短歌にハマったという石山蓮華さんが、題詠「リア充」と「自由題」の歌をぶっこみます(!?) ここでは「リア充」の歌だけ引用しますね。
カラフルな美少女のため白抜きの空っぽでいい「僕」になりたい
石山さんが自作を説明する前に、「美少女ゲームを詠んでるね」という鋭い投コメが出るあたり、さすがニコ生ユーザーのみなさん! 松平さんは「美少女ゲームがわからなかった……」とのことですが、穂村さんが「美少女ゲームがわからなくても意味はわかる。美少女たちの個性に染まる『僕』になりたい、という感受性がいい」と評します。なお、この歌は、美少女ゲームをいくつもやってきた、やや古参オタの筆者に大ヒットでした!
そして、あらためて、頭上に「新婚さん↓」と書かれたリア充歌い手・ビートまりおさんの個人賞から発表です!
なお、歌がたくさんあるので、ここでは1首につきちょっとずつコメントを拾っていきます。また、穂村さんも松平さんも、惜しくも個人賞に選べなかった佳作をたくさん選んでおられました。佳作もいい歌がたくさん並んでいるので、コメントも佳作も、タイムシフトや、3月25日(土)発売予定の月刊「短歌」4月号でチェックしてみてください!
■ビートまりお賞
【題「リア充」部門】
クリスマスケーキの予約受付を終了させていただきました (@yoma412)
穂村さん「(Wikipediaの中にある短歌形式になっている文章を自動的に拾い上げる)偶然短歌みたい」
【自由題部門】
パチンコのパがめっちゃ点滅してる
今夜はオリオン座流星群 (@Da_Ho_Ra)
ビートまりおさん「(2つの情景の)ギャップが、俺、めっちゃ気に入っちゃって!」
石山さん「松平先生の表情(苦笑)が……」
穂村さん「これ、消えたままじゃダメなんだよね」
■穂村弘賞
【題「リア充」部門】
あなたへの手紙を入れたポシェットに
触れながら飲む水は二杯目 (@OgimoriMiho)
松平さん「(「ポシェット」や「手紙」という)クラシカルな感じがいいですよね。調べがきれい。
――短歌は<読者に伝わるかどうか>という意味の面も大事だけれど、調べやリズムの美しさが大事。」
【自由題部門】
診察を待つ母の手を握りおり
昼の月にも兎のおりて (詩穂)
(☆受賞作☆ 冒頭に引用したコメントをご覧ください)
■松平盟子賞
【題「リア充」部門】
リア充よりもリアルを生きて、
見よかくも完璧に腐り尽くした蜜柑 (Sahara)
(☆受賞作☆ 冒頭に引用したコメントをご覧ください)
【自由題部門】
ふーせんガムふーせんにして
部分的少年となる御堂筋線 (西村曜)
松平さん「御堂筋線は大阪の(最初に敷設された)地下鉄で、記号や車体が赤色で表現されている。
きっと作者は大人になっているのだろうけれど、<ガムを噛んで、ふくらませる>という少年っぽいことをやってみたんだろう。そうすると、顔のあたりだけが部分的に少年のように見えた、という歌。御堂筋線の赤い感じも少年っぽい」
穂村さん「これも<せん・せん・年・線>と音のこだわりがありますよね」
石山さん「(音の良さが短歌の効果として)気づかないうちに魔法にかかってるみたい」
■月刊短歌編集長賞
【題「リア充」部門】
セーターの袖を正しく畳んでは
愛し愛され単位を落とす (Ms)
月刊「短歌」・石川編集長「リア充を妬むような歌にいい歌が多い中で、恋人とのリア充な生活を『セーターの袖を正しく畳』むという、ささやかなポイントで詠ったところに惹かれた。S音とT音の韻律もいい。」
【自由題部門】
ハイヒール脱いだ裸足の
つちふまず君のからだをつくる曲線 (@ginkgoBiloba_N)
月刊「短歌」・石川編集長「ハイヒールを脱ぐまでは、恋人の女性のボディラインを見ていたのだろうけれど、ハイヒールを脱いで、つちふまずにも美しさを見たという歌。『つちふまず』を詠った歌はほとんど見たことがなく、ともすれば変質者的な目線を詩に昇華している」
松平「着眼点がいい。この歌のように、下品にならずに色気がある作品はなかなかない。」
穂村「短歌って、フェティシズムのように、<本当に好きなもの>を書かないとダメなんだけれど、<本当に好きなもの>を書くのって恥ずかしいんですよね。」
個人賞が出揃ったところで、
「歌ドカワ」短歌アワードの受賞作を決める運命の瞬間――ユーザーアンケートの時間です。
【題「リア充」部門】は松平さんが選んだ、Saharaさんの
「リア充よりもリアルを生きて、見よかくも完璧に腐り尽くした蜜柑」が
46.7%の支持を得て受賞決定!
ここで、月刊「短歌」編集長賞に選ばれた
「セーターの袖を正しく畳んでは愛し愛され単位を落とす」が、
実は石川蓮華さんが匿名で投稿した作品だと明かします(!?)。
ビートまりおさんが「えっ、(事前に石山さんに受賞させようとした)仕込みじゃねえの?!」と素で驚く展開(!?)――“幸運”(グッドラック)と“踊”(ダンス)っちまったんじゃないかって? いやいや、石山さんの実力でしょう!!
【自由題部門】は穂村さんが選んだ、
詩穂さんの「診察を待つ母の手を握りおり 昼の月にも兎のおりて」と、
石川編集長が選んだ、@ginkgoBiloba_Nさんの
「ハイヒール脱いだ裸足のつちふまず君のからだをつくる曲線」が共に
34.7%となり、再度決選投票のユーザーアンケートを実施。
その結果、52%対48%という僅差で詩穂さんの歌が選ばれました!
お二人ともおめでとうございます!
「歌ドカワ」短歌アワードに向けて、2016年12月から3ヶ月連続で行われたニコ生も、これにてひとまず完結です。最後に「『歌ドカワ』短歌アワード、またやってほしいですか?」というアンケートを取ったところ、「やってほしい」が83.4%、「やれば見る」が残る16.6%を占める結果に! 今回の2月26日のニコ生では「短歌っておもしろい」「歌人になってみたい」という投コメがいくつも流れてきました。ニコニコユーザーから多くの歌人を輩出するためにも、「歌ドカワ」のいろんな企画や短歌アワードを、もっと、ずっと続けてもらえませんか?!>ドワンゴさん、KADOKAWAさん
なお、3月4日(土)には、近年、全国の大学で続々と旗揚げされている大学短歌会が3人一組で歌合(うたあわせ。短歌を二組に分けて優劣を争う)を行う「第3回 大学短歌バトル2017――学生短歌会対抗 超歌合」を「歌ドカワ」チャンネルにて放送される予定です。短歌アワードで関心を持ったあなたもぜひご覧になってみてください!
(中島裕介(歌人))
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