オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第50回 「そんなプロもありか」な人達のウラガワ【2】
◆もくじ◆
・「そんなプロもありか」な人達のウラガワ【2】
・最近の志麻子さん
「酒とつまみと男と女」に出演しました
12/11「新井英樹×溜池ゴロートークライブ」に出演予定
『週刊文春』に出ています。「有吉反省会」ほかも
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
怪談えほん『おんなのしろいあし』発売中
山口百恵「赤いシリーズ」DVDマガジン(解説担当)発売中
・著者プロフィール
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歌舞伎町に住んでいる、“プロの岡山県民”の岩井さんが綴る、ちょっと際どいプロの怖いお話を今月はお届け。
今回は、ある旅行会社社員の男性から聞いた、不可思議な女性についてのエピソード。
世界には、底知れぬ闇がそこかしこに……!?
バックナンバーはこちらから↓
http://chokumaga.com/magazine/backnumber/?mid=111
2013年7月「名器手術のウラガワ」
9月「エロとホラーと風俗嬢のウラガワ」
10月「風俗店のパーティーで聞いたウラガワ」
11月「エロ話のつもりが怖い話なウラガワ」
12月「風俗店の決起集会のウラガワ」
2014年1月「ベトナムはホーチミンでのウラガワ」
2月「ベトナムの愛人のウラガワ」
3月「永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~」
5月「韓国の絶倫男とのウラガワ」
6月「ソウルの新愛人のウラガワ」
7月「風俗嬢の順位競争のウラガワ」
8月「夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ」
9月「「大人の夏休みの日記」なウラガワ」
10月「その道のプロな男たちのウラガワ」
*マガジンのWEB画面 http://chokumaga.com/magazine/?mid=111&vol=50 からはワンクリックで各月に飛べます
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前月は、「東京に来たから会えた、なんだかすごいプロ達」を書いた。今月もまた、私の個人的な「岡山では会えなかったプロ達」について書いているのだけれど。
前月のような、都会でしか生きていけない、繁華街でしか成り立たない職業のプロではなく、「日本全国にいる職業の人達なんだけど、でもやっぱり都会の闇の濃い場所で会うプロだなあ」と思わされた人達を書かせてもらう。
そういう私も、上京してきて早十五年。作家というのも岡山にいても充分にやっていけるし、今や外国や南極に住んでいても特に不自由ない職業ではあるが。
今の私はつくづく、どこに住んでいても同じ、ではなく、歌舞伎町に住んでいることは外せないと感じている。いつまで経っても都会人にはなれず、心は岡山県民のままなんだけどね。もしかしたらプロの作家というより、プロの岡山県民かもしれないわ……。
※
この話をしてくれたときの彼はまだ旅行会社の社員で、いずれ独立して東南アジアに渡り、現地でコーディネーターやガイドをしたいといっていた。
──何年か前のある深夜、彼は飲み会の帰りにいつもは寄らないコンビニに寄り、そこで買い物をしていたある女性に激しく惹きつけられた。それが話の始まりだ。
「あんまり美人じゃないっていうか、はっきりいってブー寄りでした。たぶんまだ三十そこそこの肌の質感だったけど、どーんと中年肥りで寝間着みたいな恰好で、すっぴん」
そういう彼も、見た目だけはきわめて普通っぽい。
「何一つ、魅力的じゃないのに。酔ってたからか、跡をつけてしまったんです」
彼も地方出身者だ。故郷にとどまっていればそんな真似はしない人だったのに都会でちょっと普通でなくなったか、故郷に居続けてもいずれそんな性向が芽生えていたか。
「彼女はコンビニから近い、まるで彼女そのものみたいな地味な安っぽいアパートに帰っていきました。二階の角部屋に住んでいるのは、しっかり見届けました」
ここで終えておけばと思ったが、ここまで来た人はなかなかここでは終われない。
「それでぼく、おとなしく家に帰ったんですが。やっぱり気になって、また彼女の住むアパートに行きました。それで、その~、ドアの郵便受けに手を突っ込んで、郵便物を抜き取ってしまったんです。彼女のことを知りたくて」
ここで彼は、完全に犯罪行為をしてしまったのだ。
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