オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第49回 「そんなプロもありか」な人達のウラガワ【1】
◆もくじ◆
・「そんなプロもありか」な人達のウラガワ【1】
・最近の志麻子さん
『週刊文春』に出ています
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
怪談えほん『おんなのしろいあし』発売中
山口百恵「赤いシリーズ」DVDマガジン(解説担当)発売中
・著者プロフィール
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前月の「その道のプロ」な人たちにひきつづき、今月も「おもしろいプロ」「そんなプロもありか」といった人達について。
前月に比べればわりと一般的な(?)職業の人たちだが、岩井さんが聞く話は一癖も二癖もあって……
不動産カンケイのプロの「屋敷さん」(仮名)が話してくれたのは、事故物件についての「ウラガワ」だった! よく聞く事故物件についてのアノ話にまつわるエピソードも……
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前月は、「私が岡山にいたままだったら会えなかった、東京に出てこなきゃ見られなかったプロの方々」について書かせてもらった。イケメンAV男優、人気ホストにカッコいいおなべ、パッと見は地味だけど売れっ子の風俗嬢、ヘタレな闇金さんなどなど。
今月も「おもしろいプロ」「そんなプロもありか」といった人達について書かせてもらうが、その方達は前月の方達に比べれば普通というか、都会や繁華街にしかいないんじゃなくて岡山にもどこの地方にもいる、わりと一般的な職業の方達だ。
でもやっぱり、「私が東京に出てこなきゃ会えなかった」と思わせる人達なのだわ。
考えてみれば私の作家という職業も、今は原稿はメールで瞬時に送れるんだから、岡山にいたって何も問題ないんだよ。でもなんというか、今の私も都会人になったという意味では全っ然なく、「歌舞伎町に住んでいることに意味がある作家」だと思う。
※
私は岡山にいた頃は、親や嫁ぎ先の持ち家にしか住んだことがない。一人で上京してから、二年ほど静かな下町といった風情の町の賃貸マンションに住み、今の歌舞伎町の住居は新築を購入した。特に、不動産トラブルの思い出はないのだが。
先日、自分の住居のためにではなく小説の取材のため、不動産関係の人に会った。
仮に屋敷さんとしておく彼が、不動産業界における何のプロであるかを詳しく記すとご本人が特定されそうなので、そこんとこはボカシを入れさせてもらう。
さて。不動産トラブルはいろいろあるが、よく話題になるのは事故物件、つまり先住者がその部屋で殺されていたり、自殺していたり、孤独死したまま長らく腐敗状態で放置されていたような部屋に関する問題だ。
「みなさんがよく勘違いするのは、一つの部屋には一つの死体ってことですね」
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