オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第289回 ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ(1)
◆もくじ◆
・ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
【配信版】月刊オメ★コボシ 7月号 アーカイブ配信中
【配信版】月刊オメ★コボシ 8月号 8/13(金)開催
徳光正行さんとの共著『凶鳴怪談 呪憶』発売中
『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中
万年アクリルカレンダー再販中
2/25発売『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』に作品収録。重版!
映画『遊星王子2021』に出演 8/27公開!
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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夏といえば、なんてったって怪談。
新作ホラー小説『でえれえ、やっちもねえ』も角川ホラー文庫より発売中!
ここでは実話の怪談をいくつかお届け。
前の回から怨霊並みに採りあげ続けている人気漫画家・新州しな乃(仮名)。彼女のことを、怪談語りで有名な芸人さんのラジオで話していてふとひらめいたのは……。
「無念の死」と、ある芸能人が一本の線でつながることもあって……。
バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga
2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ」
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ」
3月「どこか心残りの別れのウラガワ」
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ」
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ」
6月「アマビエ的なものや人のウラガワ」
7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ」
8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ」
9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ」
10月「いい大人なのに未経験のウラガワ」
11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ」
12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ」
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ」
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ」
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ」
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ」
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ」
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ」
※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。
2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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五月に入れば、真夏日といわれる日があったりするし。六月といえば、暦の上では完全に夏だ。けれど私はなんとなく、七月からが夏だと感じてしまう。
自分が子どもでなくなっても、子どもですらアラサーになってしまっても、夏休みが始まる月だというときめきみたいなものが、今も続いているのだろうか。
そうして夏といえば、なんたって怪談だ。これも子どもの頃から、変わりない夏のお楽しみだ。今は年がら年中ネットなどで怪談は探せるし、各社から四季を問わず怪談本も出ているが、やっぱり夏になると濃度が増す気がする。
私の新作ホラー小説『でえれえ、やっちもねえ』も角川ホラー文庫から出してもらったばかりなので、今月は怖い話を特集する。例によって個人を特定されないよう、全編に渡ってすべての人名は仮名、背景などにも脚色を加えているのをおことわりしておく。
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いやほんと、私もまさに怨霊みたいに執念深い、地縛霊並みにとどまり続けてる、とは思う。二か月に渡って書いてきた、大御所といっていい漫画家、新州しな乃の話だ。
漫画家としてはあまり売れなかったが、優雅な奥様になった岡谷眞子に生原稿を買ってくれだの、なんとかの権利を買ってくれだの、金の無心をエスカレートさせていった。
理由もエスカレートし、ヨーロッパの人気バンドのメンバーと交際していて、彼が病気になったので援助しなきゃならないから、となった。関係者一同、しな乃が国際ロマンス詐欺に引っかかっている、と青ざめたのだが。
「家族の誰も働かず、しな乃だけの収入で暮らしてて、単なる生活苦におちいっている。でも人気漫画家としてその事実は恥ずかしいので、壮大なホラ話をでっち上げた」
と、何人かがいい出し、私らの周りでは真実はそれだっ、という流れになってきた。もちろんこれは、あくまでも憶測。実際しな乃は国際ロマンス詐欺に引っかかっているのかもしれず、あるいは本当に人気のバンドマンと交際しているのかもしれない。
岡谷眞子はしな乃からの連絡をすべてブロックしてしまったが、編集者の何人かは連絡を取っている。どこかで金の工面ができたのか、最近は大人しいそうだ。あるいは、バンドマンの正体が詐欺師とわかって手を引いたか、バンドマンの病気が治ったか。謎だ。
ともあれ私はその一連の話が興味深く、けっこうあちこちでネタにしているのだが。先日、怪談を語る芸人としてはかなり人気の竹原さんのラジオに出演させてもらい、しな乃の話をしてしまった。そして、その場でふとひらめいたことをいってしまった。
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