オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第282回 変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ(3)

◆もくじ◆

・変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ(3)

・最近の志麻子さん 
 『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より6月発売予定
 万年アクリルカレンダー再販中
 【配信版】月刊オメ★コボシ 4月分 アーカイブ配信中
 【配信版】月刊オメ★コボシ 5月号  5/18(火)開催
 2/25発売『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』に作品収録
 映画『遊星王子2021』に出演
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

変わっているようで変わってなかったり、変わらないようでいて変わっているものも。
変わりないこともありがたく、変わりゆくものも受け入れて生きていきたい。

たまに行く店で会った同世代の男性が語ったオソロシイ話。
彼が高校生のころ、ちょっとだけ交際した同級生がいたが、連絡が取れなくなってしまった。
その後、彼女のことをすっかり忘れてしまっていたのだが、二十代も後半に入るころ、帰省しての男友達との飲み会で撮った記念写真には……。

バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
3月「どこか心残りの別れのウラガワ
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ
6月「アマビエ的なものや人のウラガワ
7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ
8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ
9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ
10月「いい大人なのに未経験のウラガワ
11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ
12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ


※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

===

 四月に限らないが、変わるものと変わらないものがあるなぁと、特にこの季節にはしみじみしてしまう。とはいえ考えてみれば、変わっているようで変わってなかったり、変わらないようで変わっているものもたくさんあるのだ。

 といったことを書いてきた今月。変わりないこともありがたく、変わりゆくものも受け入れて、春はやっぱり希望の季節といきたいところだ。

                    ※

 たまに行く店で会った、同世代の男性に聞いた話だ。ここでは、辻さんとしておく。

 辻さんが高校生の頃、ちょっとだけ交際した同級生がいた。

「陽子、あんまり勉強はできなかったけど話がおもしろくて陽気で、軽くヤンキー入ってるけど繊細なところもあったな。小柄な可愛い子だった。
 でもお父さんが急死してから、家庭も彼女もおかしくなっていったんだよね。
 しばらく連絡ないし学校に来ないと心配してたら、中退してた。あの頃は携帯もなかったから、家の固定電話に出てくれないと、もうそれっきり。
 すぐ次の気になる女の子も現れて、自然消滅っていうのかなぁ、陽子とはちゃんとした別れ話をせず、別れてしまったんだよね。

 それからぼくは他県に進学したり就職したりで、すっかり陽子のことを忘れてた。
 二十代も後半に入る頃、帰省して友達が始めた店に行ったときも陽子なんか思い出さなかった。男友達ばかりで飲んで、記念写真を撮った。
 その頃もまだ、携帯はカメラ付きじゃなかったから、普通のカメラで撮りました。店の窓を背にして、みんなでピースサインして。

 ところが現像された写真をもらって、みんなびっくり。窓の向こうに、異様に大きな何者かが映り込んでたんだよね。
 わいわい大勢がひしめき合ってたから、カメラ構えた奴は窓の向こうに誰かがいると気づかなかった、ともいえるし、誰も窓の外にはいなかったと断言したら、オカルトだ。
 いずれにせよ、誰かがこれは心霊写真じゃないか、といい出した。だって縮尺がおかしいじゃないか、と。確かに、僕らの二倍くらいの大きさなんだよね、顔も体も。
 暗がりにいるのもあって輪郭はぼやけていて、男か女か若いのか年寄りなのかも、よくわからない、となった。でも幽霊だ、とみんなは盛り上がって決めつける。
 肥ったオッサンだという奴もいたし、いや若い女に見える、という奴もいた。
 ぼくは……見た瞬間、どこかで見たことある人だな、とピンと来たんだけど。なんかそのときは、いえなかった。いっておけばよかったよね、後から思えば。

 でもって誰かが、当時かなり人気だった心霊写真を特集する番組に送ったんだよ。そしたら見事にといっていいのか、採用されちゃった。霊能力者の偉い先生が、