オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第252回 アマビエ的なものや人のウラガワ(3)

◆もくじ◆

・アマビエ的なものや人のウラガワ(3)

・最近の志麻子さん 
 『凶鳴怪談』が竹書房から発売
 『業苦 忌まわ昔(弐)』が角川ホラー文庫から発売
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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ネット上で大きなブームとなった「アマビエ」。
絵姿を見せろというだけで、見せたら感染が止む、治る、とは一言もいっていない。

具体的なことはごまかしほのめかすだけという、
アマビエ的なものは、このところ蔓延しているような。

でも、得体の知れない妖怪にも、すがりつきたくなることもあるもの。
美女の画像をツイッターのアイコンにしていた、岡山の知り合いの幸村くん(仮名)は……。
そしてシンガポールでの「アマビエ的なるもの」は。


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2014年11月~18年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ
2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ
3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ
4月「こういう人いるよねという出会いのウラガワ
5月「働くということについて考えたウラガワ
6月「私なりのプロファイリングをしてみたウラガワ
7月「芸事業界の人たちの願いごとのウラガワ
8月「怖さひかえめな怖い話のウラガワ
9月「まだ挽回できるかどうか気になるウラガワ
10月「なぜか惹かれる未解決事件のウラガワ
11月「今頃になってわかってきた出来事のウラガワ
12月「とりあえず終えたかな、というウラガワ
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
3月「どこか心残りの別れのウラガワ
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ


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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
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 私の感覚としては、二月になってから深刻な騒ぎとなった新型肺炎。六月になっても完全に収束しないなんて、あの頃は夢にも思わなかった。

 みんな一生懸命に、蔓延を食い止めようとした。医療や政府や周囲の人にも頼るが、妙なものにも頼ろうとした。

 江戸時代からいたらしいが、突如として脚光を浴びた謎の妖怪、って、すべての妖怪は謎だけど、ことに謎めいて感じられたアマビエだ。
 仲良しの漫画家、西原理恵子ちゃんが落書きしたようにも見える、魚のおばけ、人と魚の合体、あまり色っぽくない人魚、みたいなルックス。
 疫病が流行ったら、私の姿を描いて皆に見せよ。といって、海だか川だかに消えたという。猛烈な勢いでアマビエの絵はネットを駆け巡り、様々なグッズが作られた。

 しかし、よく読めばアマビエったら、思わせぶりというか、無責任というか。絵姿を見せろというだけで、見せたら感染が止む、治る、とは一言もいってないのだよ。

 いやほんま、アマビエ的なものや人は、コロナウィルスほどではないが蔓延してないか。具体的なことはごまかし、ほのめかすだけ、というか。
 期待だけ持たせて、後は知らないよ~、あんたが勘違いしただけ、と逃げるとか。

 でも得体の知れない妖怪だろうが、すがりたくなる、信じたくなるときはあるよね。
 怪しげだからこそ、だまされるってこともあるし。アマビエで心がちょっとでも浮き立ったり、気がまぎれたら、それでいいじゃないか、とも思えるし。

 という、アマビエ的なものや人について考えてみる六月。新型肺炎が六月にはすべて終わり、アマビエがいるかもしれない海や川に遊びに行きたいな、と願いを込めてみる。

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