データ元は、ニールセン社 提供によるインターネット利用動向調査「Neilsen Netview」サービス。対象は「一般家庭および職場のPCユーザー」としている。
さっそく全体概要から見ていく。訪問者数では、Facebookが1,694万人と、他のサービスを引き離し、トップを維持。他のサービスでは、Facebookに続き、Twitter 1,271万人(前月比 97.7%)、mixi 503万人(前月比 87.5%)、Google+ 392万人 (前月比 99.2%)、Linkedin 24万人 (前月比 97.2%)の順位となっていた。前月比では、全体的にダウントレンドとなっている。リーチ※に関しては、Facebookが28.8%と国内インターネット利用者の約3割が利用していることが確認される。(※インターネット利用人口を母数とした利用者の割合)一方で、平均訪問時間では、120分と mixi が依然として長時間利用されており、ヘビーユーザーに利用されているメディアであることが伺える。同指標における前月比では、Google+(106%)のみが唯一増加傾向を示していた。
なお、本調査におけるTwitterの訪問者数には専用クライアント(TweetDeck, Hootsuite等)のアクセスは含まれていないため、実際のTwitterユーザー数はもう少し多いはずだ。
また、このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、以下の点に注意する必要がある。
- フィーチャーフォンやスマートフォンからの訪問者数を含んでいない。
- 非会員の訪問、すなわち各SNSトップページへの訪問者やオープンなページ(Facebookページ、mixiページ)への訪問者を含んでいる。したがってアクティブ会員数とは一致しない。
- PCはWindows PCのみであり、MACやタブレットPCなどは含まない。
- 視聴率測定しているのは家庭と職場のみであり、学校やネットカフェなどからのインターネット利用は含まれていない。
次に、これら5サービスの訪問者数を時系列推移で表すと次のようになる。
前月との比較では、Facebook(95.0%)、Twitter(97.7%)、mixi(87.5%)、Google+(99.2%)、Linkedin(97.2%)と、全体的にダウントレンドとなっている。半年前との訪問者数比較でも、Google+(126.4%)が増加傾向を示すのみとなっていた。Google+の訪問者数が徐々にmixiに近づいているが、平均訪問時間や、後述のPCページビューから、スティッキネスという観点からは、まだまだmixiに分があるようである。
次に、ページビューと訪問時間の時系列推移を見てみよう。
ページビュー・訪問時間共にFacebookが他のサービスを大きく引き離す結果となっている。一方、両指標共に全体的にダウントレンド(PV前月比平均:89.7% 訪問時間前月比平均:91.2%)という状況の中で、特にmixiの前月比ページビュー 69.0% 訪問時間 78.2%と減少傾向が顕著となる結果であった。
次に、5サービスの訪問者の重複状況をチェックしてみよう。
この表は、たとえばmixiユーザーの53.2%はTwitterを、67.7%はFacebookを、13.8%はGoogle+を1.0%はLinkedinを利用しているということを表している。Facebookの平均重複利用率が69.5%、Twitterと、他のサービスと比較すると、Facebookを併用している利用者の割合は非常に高いことが分かる。
最後に、各サービスの訪問者属性を見てみよう。
mixiは、5サービス中最も女性の割合(48%)が高く、かつ、30代までのユーザー層が6割弱との結果から、他のサービスよりも、年齢層が若く、かつ女性ユーザーの割合が高いサービスとなっている。なお、mixiからはアクティブ会員の属性が発表(mixi 2012年度 第2四半期及 決算説明会 資料 p29)されており、それと比較すると、女性および若年層の割合が更に高いことが分かる。この差異は、mixi発表資料には携帯・スマートフォンのみで利用しているユーザーが含まれているためと推測される。一方、Facebook及びTwitterとの比較では、男女比率はほぼ同一であるものの、Twitterユーザーでは、20代以下の若年層の割合が若干高い。Google+、Linkedinともに現時点では男性ユーザーに偏りがある。
職業分布及び世帯年収分布では、5サービスともに、訪問者の約6割がビジネスパーソンとなっていた。また、mixiでは主婦、Twitterでは学生の割合が高いなどサービスにより特徴が現れているところが面白い。世帯年収に関しては、Linkedin以外のサービスがほぼ同傾向の構成となっている。一方、Linkedinについては、7割がビジネスパーソンとなっており、世帯年収分布では700万以上のユーザーが6割弱と、高所得者・ビジネスパーソンの割合が高いサービスとなっている。
ソーシャルメディア・5サービスに関しては、全体的にダウントレンドとなった11月であった。海外では、米国大統領選により大いに注目を浴びたSNS系サービスであったが、日本ではその影響は非常に小さいものであったようである。一方、NHN Japan社のLINE、DeNA社の comm、KAKAO JAPAN社の KAKAO TALK 、サイバーエージェント社の DECOLINK などに見られる、SMSサービスに対する注目度は目をみはるものがある。
株式会社ジャストシステム社から公表の、モバイル&ソーシャルメディア月次調査において報告されている、LINEなど、SMS系サービスのヘビーユーザー層(10〜20代男・女性)とFacebook系サービスのヘビーユーザー層(30〜50代・男性)の違いが、今後互いのメディアの発展にとって、どのような影響を及ぼしあって行くのか?また、SMSの普及に伴い、生活者は、パブリック・プライベートなど利用シーンによる使い分けを当たり前の様にしていくようになるのかなど、非常に興味深いテーマがいくつも存在している。この点なども踏まえ、今後も継続的にin the looopにてレポート出来ればと考えている。
*モバイル&ソーシャルメディア月次調査に関してはまた別の機会に改めて纏め報告させていただければと考えています。
記事執筆) 関根 健介
■ インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」に関して
インターネット利用動向調査「Nielsen NetView」は、日本のウェブサイトの利用状況を毎週、毎月ウェブサイトごとにユニーク・オーディエンス(当該期間に1回以上、ウェブサイトを訪問/視聴したとされる、同一人物の重複を除いた推計利用個人数)などのデータとして契約顧客向けにニールセン株式会社がレポートを提供しているものです。 詳細は ニールセン株式会社 お問い合わせ窓口まで。
本調査に関連する過去データは「ソーシャルメディア視聴率」からどうぞ。
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