ソーシャルメディア集客ラボの伏田です。

 

先日の記事でソーシャルメディア上の影響力を活用するツールを紹介しました。以前からユーザーチャートを提供していたアジャイルメディア・ネットワークではアンバサダーリワードとして、ソーシャルメディア上の影響力に加えて「過去の発言」をもとにクーポンなどを発行する仕組みの提供を開始しました。

 

ソーシャルメディアが一般的になる以前からカンバセーショナル・マーケティング・カンパニーとして国内の大手企業のマーケティング支援行なってきたアジャイルメディア・ネットワークさんにお話を伺ってきました。

 

アジャイルメディア・ネットワーク インタビュー

お話を伺った人

高柳慶太郎高柳慶太郎氏
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
マーケティングマネージャー

 

2005年楽天株式会社入社。広告営業として楽天ブログやInfoseekなどの収益化を担当。その後アドネットワーク事業の立ち上げなどを担当し08年10月に退社。現在はアジャイルメディア・ネットワークに在籍し、マーケティングマネージャーとしてユーザーチャートや今回リリースされたアンバサダーリワードを担当。

 

 

アンバサダーリワードを使ったFacebookページ活用

アンバサダーリワードは、ソーシャルメディア上の影響力を計測するユーザーチャート(user chart)の情報と過去にソーシャルメディア上で発言した情報をもとにユーザーを分析する仕組みです。

アンバサダーリワード

このソーシャルメディア上の影響力を計測し、さらにユーザーの興味・関心を分析する仕組みは、以前にソーシャルメディア集客ラボで紹介した株式会社インタレストマーケティングが提供するパーソナルメディアバリュー(PMV)とよく似ています。

 

アンバサダーリワードの場合は、Facebookの投稿(発言)内容をもとに分析しているのに対し、パーソナルメディアバリューでは「いいね!」をしているFacebookページのデータをもとにユーザーの興味・関心を取得しています(インタビュー当時の話なので今後取得するデータがともに変わる可能性もあります)。

 

また、アンバサダーリワードで利用するユーザーチャートは、Facebookだけでなく、Twitter、mixiの他最近ではFoursquareとInstagramのデータも連携できるようになっているという違いがあります。

 

ケンタッキー具体的な事例としては、ケンタッキーフライドチキンがFacebookページのキャンペーンで実施しています。

 

Facebookページで自分のアカウントのファンレベルを計測すると、そのレベルに応じたクーポンがもらえるというキャンペーンです。

 

ファンレベルは過去に「ケンタッキー」といったブランドのキーワードを発言しているかなどから計測しているため、該当するキーワードの発言するユーザーはファンレベルが高くなり、よりよいサービスが受けることができます。

 

この前提を踏まえてお話を伺いました。

 

インタビュー内容

ここからは高柳氏へのインタビューをお届けします。

 

-今までインフルエンサー・マーケティングが中心だったアジャイルメディア・ネットワークがなぜこのような機能の提供をはじめたのでしょうか?

 

 

アジャイルメディア・ネットワークはもともと影響力の強いブロガーさんのネットワークから始まった会社だったので、どうしてもインフルエンサー・マーケティングを主軸とする会社だと思われることが多かったです。

ただ、インフルエンサーマーケティングだけに寄ってしまうと、旧態依然の古い世界のものになってしまうので、それだけではなくGrouped(邦題:ウェブはグループで進化する)の概念に近くて、影響力だけではなくいろいろコミュニティのハブになっている人やプロダクトやブランドに興味を持った人たちを大事にしたいという考えのもと提供を始めました。

 

今までは、影響力だけの軸を見ていましたが、同じようにブランドの興味を持っている人(ファン)を重視しようという流れですね。それをアジャイルメディア・ネットワークでは「アンバサダー」として呼んでいて、企業がそういう人たちを探していただくように提案しています。

すぐに探すのは難しいので、キャンペーン的な要素も入れつつ関連するユーザーを見つけられるのがアンバサダーリワードです。

 

 

-どんなことを重視してアンバサダーリワードを作られたのでしょうか?

 

企業やブランドのもともとのファンにメリットがあることを重視しました。例えば、特定の会社の飲み物を多く飲んでいる人にはその企業からより良いサービスを受けられるのが正当なので、そういう当たり前のことを企業が手間をかけずに実現できることろに持っていきたいなと思いました。ですので、影響力のあるインフルエンサーだけでなくて、もともと興味・関心がある人が報われるようにしています。

 

インフルエンサーと興味・関心の2つで判断するというのは、ぎりぎりの境界がありますが、軸としてファンが当たり前に報われるという軸はずらさないで作りました。

 

 

-今どのくらいが導入しているのでしょうか?またどのようなクライアントから問い合わせが多いのでしょうか?

 

2012年はプレスリリースの事例でも紹介している日本ケンタッキー・フライド・チキン様ベイクルーズ様の2社です。年明けの2013年からは新たに複数社が決まっていますので出だしは好調と言えます。

ジャンルはあまり関係ないですが、当初のイメージとしてはO2Oのように実際に店舗などに集客したいクライアント様が向いているかなと思っています。それでも、どんな業態でも使えるように対応しています。

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-どのようにユーザーのデータを取得しているのでしょうか?またクライアントはどのように利用するのでしょうか?

 

キャンペーンアプリを通じて情報を取得しています。取得しているのは、過去のFacebookでの発言とユーザーチャートで取得しているソーシャルメディア上の影響力です。このデータ取得はどこまでも取れてしまうのが実情ですが、データの取得が今後問題になることも予想できるので、必要最低限のデータのみを取得しています。

高柳氏データをもとに、どんな特典を用意するのかは、管理画面から設定できるようになっています。この設定を変えることでファンレベルに応じてユーザーは特典を受けることができます。例えばファンレベルが○点以上なら10%引きのクーポンが発行できるといった設定です。

 

今後はそのクーポンを使って店舗に来店したことで、さらに口コミが発生するような流れが作れればいいなと思っています。

 

 

-クーポンのようにO2Oを意識された理由はありますか?

 

昨年から今年くらいまではソーシャルメディアをやることが重要だと考えている企業様も多かったのですが、実利につながっていることがわかるようにしたいなと思いました。なので、アンバサダーリワードでは診断するだけで終わるのではなく、クーポンを発行して実際に実際に店舗まで足を運んでもらえるような流れをつくることができる形になっています。この点は最近クライアント様からも求められることが増えていますし、このような仕組みであれば既存のシステムのまま使うことができます。

 

今後はクーポンコードもお客さんごとにユニークに発行して、実際に誰がきたのかまで測定できるような仕組みも検討したいと思います。

 

 

-他のFacebookキャンペーンアプリとの違いを教えてください

 

今までの懸賞アプリに代表されるアプリはユーザーを囲い込む方向にあったと思います。弊社はどちらかというとビジネスのスタイルとして日本の大手企業数十社様のマーケティング支援をずっとやってきたので、クライアント様に合わせてカスタマイズができるような設計にしてあります。

 

また、懸賞アプリなどではどうしても「いいね!」の数だけに目が行きがちですが、そうではなく、ファンの濃さを重視しています。

 

 

-今後の展開はどのようになるのでしょうか?

 

まずは既存のクライアント様に使っていただけるようにしていきます。また、来年はO2Oを強化したサービスの提供も強化していく予定です。

 

 

インタビューは以上です。

アジャイルメディア・ネットワークさんのソーシャルメディアに対する真面目な姿勢がよく伝わってきました。
高柳さんありがとうございました!


[元記事] アンバサダーリワードを使ったFacebookページキャンペーンとは


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