アメリカではホテルでソーシャルメディア上の影響力によっておもてなしの度合いを変えている事例や一定の影響力があると空港のVIPラウンジが無料で使えるキャンペーンなどソーシャルメディア上の影響力によってお客様の対応を変えるケースが増えているようです。
特にアメリカではKloutという影響力を分析できるサービスが有名です。
そんな、ソーシャルメディア上の影響力を計測して集客に役立てるツールを開始した会社が国内でも登場しています。今回はそのツールを提供するインタレストマーケティングにお伺いして、今後どのようなサービスを提供されるのかお話を伺ってきました。
テーマは「ソーシャルCRM」と「O2O」だそうです。
オフィスにお邪魔してきました
インタビューをする前にオフィスの様子を見学させてもらいました。とってもお洒落なオフィスです!
会社のエントランスです。関連企業3社が一緒に入っているオフィスです。
場所は新宿御苑のすぐ近くでとっても日当たりのいいオフィスでした。
エントランスにはドラえもん、スライム、そしてバカラの高級まねき猫が飾ってありました。
とっても広いオフィスで30名以上が入れるそうです。
コーポレートカラーはオレンジだそうで、椅子はもちろんのこと、なんと冷蔵庫までもオレンジで統一されていました。
アマダナのウォーターサーバーまであって羨ましい限りです。
インタレストマーケティング 坂井氏インタビュー
ここからは代表取締役の坂井氏へのインタビューをお届けします。
坂井氏はブランドデータバンクというASP型のマーケティングツールを提供する企業を創業して、その事業をマクロミルに売却しています。今回はその経験も生かしたツールになっているそうです。
お話を伺った人
坂井光氏 (株式会社インタレストマーケティング 代表取締役)
株式会社西武百貨店を経て、1997年株式会社ウォータースタジオ取締役就任。 2005年4月よりブランドデータバンク株式会社代表取締役。 株式会社ネットマイル、チームラボ株式会社と業務提携を行い、一般生活者 3万人の持物/嗜好状況をデータベース化し、web上で閲覧出来るASPタイプのマーケティング・サービス「ブランドデータバンク」をリリース。
2009年10月:同事業を株式会社マクロミルに事業売却
2010年1月:株式会社マクロミル執行役員
2011年4月:マクロミル連結子会社、株式会社エムワープ取締役就任
2011年11月:株式会社インタレストマーケティング開始。
ーまずパーソナルメディアバリュー(以下、PMV)について教えてください
PMVとは、個人のソーシャルメディア上での影響力・メディア価値を数値化した指標のことで、個人のメディア価値を視覚化することができます。
また、弊社のPMVではどんなことに興味・関心があるのかといったインタレストデータまでを取得して企業様のマーケティング活動を支援していきます。最初に取得するのはどのFacebookページに「いいね!」しているのデータになりますが、今後はユーザーが投稿したテキスト情報、「いいね!」している記事の内容もテキストマイニングを行うことで、ユーザーのインタレストデータを拡充していきます。
このインタレストのデータを取得するために、1万のFacebookページのカテゴリーを入れ替えを自社で行いました。現在のFacebookページのカテゴリでは、担当者が適当に入れたカテゴリであることも多いため分析できるように分けられていません。例えば、同じファッションを扱うFacebookページでも一方がファンションで、もう一方は企業のカテゴリになっているということもあります。
ーPMVのデータはどのように取得するのでしょうか?
FacebookのOAuth認証で情報を取得します。
基本的には、Facebookページのキャンペーンとしてよく使われているような応募したらプレゼントがもらえる懸賞型のアプリや、クリックするともらえるクーポンなどを想定しています。これらのキャンペーンを企業のFacebookページで開催して情報を貯めていきます。
ー御社が提供されるPMVを使ったサービスの内容について教えてください
まず、APS型の管理画面を提供するので、そこでユーザーの情報を閲覧することができます。その情報をもとに、クーポンを発行したり、メールマガジンを送れるようなツールを提供していきます。
PMVを使えれば、「ソーシャルメディア上の影響力」と「どんな興味を持っているユーザーなのか」を分析できますので、ユーザーにあったクーポンなどを送ることができます。当然、ソーシャルメディア上の影響力のあるユーザーであればバイラル効果も期待できます。
これらのPMVのデータは、企業様が持っている顧客のDBを紐付けを行うこともできます。こうすることで、購買履歴などだけではわからないソーシャルメディア上の情報も取得して顧客ひとり一人をより深く理解した「ソーシャルCRM」として活用することも可能です。
また、クーポンの発行は提携しているmoggy(モギー)なども使う予定です。
moggyではスマートフォン上で実際にクーポンをもぎることができるため、クーポンを利用した人数を計測することができます。この機能と連携することで、何人の人がクーポンを取得して、何人の送客ができたのかを一気通貫で計測することが可能です。
ー他のクチコミの影響力を計測するツールとの違いを教えてください
大きくわけて2つあります。
1つ目は、インタレスト情報を取得できることです。もちろんソーシャルメディア上での影響力は大事ですがそれだけでは成り立ちません。車に興味のないユーザーに車のクーポンを送っても意味がないように、関係のないユーザーにクーポンなどを送っても反応しません。Facebookのデータをもとにインタレストの情報も取得することで、ユーザーのひととなりを理解して情報発信することが大切です。
2つ目は、O2Oとして実際のコンバージョンを計測できることです。先ほどお伝えしたように、クーポンを利用した人数まで計測できるので、実際にどのくらいの利益を生んだかを可視化できます。既にこのツールをご案内している企業様に聞いても集客を計測したいというニーズは非常に強いです。
ー現在どんな企業に提案しているのでしょうか?
10月に営業チームを作ったばかりなので、これから具体的に提案していくことになります。
いくつかの企業様をまわる中で、店舗に送客したい企業様やECサイトを持っている企業様は弊社が持っているツールが非常にマッチしているようです。具体的な業種をあげると、飲料、家電、ファッション、化粧品などがあります。
ー今後の展開について教えてください
現在は企業様にASP型のツールを提供するだけですが、来年のはじめには自社でメディアを持ち、Facebookを経由したユーザーを増やして行く予定です。そこで取得した情報をもとに、企業様がプロモーションとして参加できるようなプラットフォームを用意していきます。
インタビューは以上です。
ソーシャルメディア上の影響力を計測できる国内のツール
今回のインタビューの補足として、国内で提供されているソーシャルメディア上の影響力を計測できるツールを3つご紹介します。
1.user chart
アジャイルメディア・ネットワークが提供するサービスです。特徴としては、国内のソーシャルメディア主要サービス5つ(Twitter、Facebook、mixi、Google+、ブログ)を全て分析、およびトータルスコアまで算出できることです。
また、Twitterの発言傾向を可視化する機能も用意しており、ユーザーの影響力だけでなく、どんなタイプで口コミを広げるユーザーか把握することが可能です。
実際の分析結果はこのように表示されます。
TwitterのIDで検索すれば個人だけでなく企業アカウントの影響力も同じように確認することができます。
5つのソーシャルメディアのうち、Twitter以外はユーザーが各サービスとアカウントを連携していなければ、その影響力を確認することができません。
Twitterは影響力の他にも「よく言及しているキーワード」「よく言及しているブランド」についても参照することが可能です。
2.Qrust
オーバーテックスが提供するサービスで、TwitterとFacebookの影響力を計測できます。
ユーザーチャートと同じようにTwitterとFacebookのIDを入力して、検索するとソーシャルメディア上の影響力を表す「クラスト」を表示することができます。
アカウント性質や利用度といった細かい分析もありますが、更新のタイミングによって表示されないこともあるので注意が必要です。
Qrustの特徴として、グラフによってスコアを確認できる機能があります。
影響力が時系列でどのように変化したをグラフで確認できるので、日々の投稿によってどのくらい変化したかを振り返ることが可能です。
なお、in the looopの過去の記事でもサービスの裏側が詳しく紹介されています。
3.パーソナルメディアバリュー(PMV)
今回ご紹介した株式会社インタレストマーケティングが提供するスコアです。
この指標を中心として企業にツール提供などを行なっていくそうです。他のツールとの違いは、インタビューでも紹介したように「インタレスト情報を取得できる」と「O2Oとして実際のコンバージョンを計測できる」の2つです。
今後もソーシャルメディアを使った集客のツールに注目していきたいと思います。
坂井さんありがとうございました!
[元記事] 口コミで集客 – ソーシャルメディア上の影響力を活用する方法とは【インタビュー】
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">by ソーシャルメディア集客ラボ
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