野田内閣が福島原発事故を受けた新たなエネルギー・環境戦略で「2030年代に原発稼働ゼロ」と打ち出しておきながら、19日にその閣議決定を断念したことは、もはや政府の体をなしていないと言っていいと思います。国民の政治不信をさらに高めただけです。
 
言うまでもなく、いま内政問題で国民の最大の関心事は、消費税増税と並んで原発問題です。だから、私たち「国民の生活が第一」は、「3つの緊急課題」のトップに「10年後に原発ゼロへ」と掲げました。
 
私は自民党時代からずっと、「原子力は過渡的なエネルギーに過ぎない。日本は早く原子力に代わる新しいエネルギーを創出しなければならない」と主張してきましたが、それは世界のどの国も原発に伴う高レベルの放射性廃棄物を処理する方法を見い出していないからです。ましてや、日本のように大規模な地震の多い狭い国土では、それを地中に埋めるのも非常に危険です。なるべく早く原発を新エネルギーに転換することは不可避の課題だと思います。
 
しかも、福島原発事故で国民の生命と日本の将来を脅かす事態が生じました。政府はまず、福島原発の放射能汚染を完全に封じ込めることに全力を挙げなければなりません。それさえまともに行っていないことに国民は不安を感じていたわけですが、「脱原発」を求める国民の声に押されて、政府も「2030年代に原発稼働ゼロ」と言い出しました。

91a3f8c1320f941fc5179b00aec8710ad447d8e3