結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2015年5月5日 Vol.162
はじめに
おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
世の中は連休のようですが、結城は連休ではありません (結城メルマガ書いているため……)。
でも、歩いていると、とてもさわやかな風が吹いてきますね。 春から夏へ向かう、いい季節です。
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第6巻の話。
先日刊行された『数学ガールの秘密ノート/微分を追いかけて』は、 「数学ガールの秘密ノート」シリーズの第5巻になります。 このシリーズはどの巻からでも読めるように書いてありますけれど、 第5巻まで刊行されたというのは感慨深いものがあります。 本編となる「数学ガール」シリーズに追いついたわけですから。
さて結城は現在『数学ガール6』を書いています。 予定では今年2015年中に脱稿して、2016年に刊行したいと思っています。 でもそれよりも先に、 「秘密ノート」シリーズの第6巻目が今年の秋に刊行になります。
ややこしいですね。
2015年春 「秘密ノート」第5巻
2015年秋 「秘密ノート」第6巻
2016年? 『数学ガール6』
ということです。 つまり、2015年はふたつの「第6巻」を並行して書くことになりますね! 「秘密ノート」第6巻は「ベクトル」がテーマになりますので、どうぞお楽しみに。
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作家の藤井太洋さんのツイートに、 赤ちゃんを育てる場面がときどき出てきます。 子育てツイートを見るたびに、心からエールを送りたくなります。 自分が赤ちゃんを育てていた時代を思い出すからです。
結城は、むずかる赤ちゃんを寝かせるのが得意です。 だっこして、背中をすりすりしたり、ぽんぽん叩き、 ゆっくり甘い声で歌ってやって、寝かせる自信がありますよ。 ただし、手を温かくしておかないと逆効果の場合もありますけれど。
子育て時代には睡眠不足がつらかったのを覚えています。 奥さんと交代で寝かしつけたりあやしたり、 こっちがいらいらしてしまうと、 寝かしつけるのもうまくいかなくなったりして。
背中をぽんぽん叩いて、ようやく眠ったので、 そっと、そおっと、布団に下ろそうとしたときに、 子供のおもちゃをけとばしてしまい、からんころん! その音で子供が目を覚ましたりすると、あーもー! となっちゃいますね。
子育てはとても大変。でも、子供はすぐに大きくなってしまう。 赤ちゃんを育てている期間はあっというまに過ぎてしまう。 過ぎてから振り返ると、貴重な時間だったのだと思う。
はっと気がつくと、 あのときの小さな赤ちゃんはどこにもいなくて、 その代わりに「ねえ、お腹へったんだけど、何かない?」 という男の子がいる。
そんなとき、 うれしいような、ちょっとさみしいような、 変な気分になります。
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ブログの話。
Twitterが大好きである。 他の人のツイートを読むのも好きだし、 自分でツイートするのも大好き。
その関係なのか、ここしばらくブログを読む習慣がほとんどなくなっていた。 以前はWebサイトを巡回したり、RSSをチェックしてたのだけれど。
何となく「新たな栄養素」が欲しくなって、まだブログ巡回も再開しようかな、 と思っている。以前巡回していたのはWindowsを使っていた時代だから、 Mac用の適当なツールがないかを探していた。
いくつか試して、RSS Botというアプリを入れてみた。 RSSフィードの一覧は、livedoor Readerで巡回していたものを利用。 OPMLというフォーマットでエクスポートして、RSS Botでインポートする。
結城がRSS Botで気に入った点は、
・メニューバーの色が変わって通知する
(静かな通知)
・記事のタイトルをメニューで一望できる
・Mark all as Readでさくさく読み飛ばしできる
などである。 ニュースサイトなどはタイトルだけ見て飛ばすことも多いので、 情報が適度に少ない方がありがたいと感じた。
◆RSS Bot
https://itunes.apple.com/jp/app/rss-bot-news-notifier/id605732865?mt=12
さて「新たな栄養素」は手に入るかな。
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Twitter誕生日の話。
いえ、Twitter「の」誕生日ではなくて、 Twitter「での」誕生日の話です。
結城はTwitterを始めたのが2007年4月21日。 つまり、4月21日が結城の「Twitterでの誕生日」ということ。 いいかえると、結城は現在「Twitterで8歳」といえますね!
Twitterを始めた日や、自分の総ツイート数はすぐに調べることができます。 確かめてみると、結城はこれまでに「12万3千ツイート」したことになりますね。 うーん、これは多いんだろうか、少ないんだろうか……
平均すると、一日に約42ツイートくらいとのこと。 うん、きっと、多い方ですよね。
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Twitterの仕様変更の話。
先日、TwitterのDM(ダイレクトメッセージ)の仕様が変わりました。
◆プライベートな会話がより簡単になります
https://blog.twitter.com/ja/2015/0421
これまでは「自分がフォローしている人」からしかDMは来ませんでした。 言い換えると「Aさんがフォローしていない人」はAさんにDMを送れませんでした。
これは妥当な仕様です。つまり「フォロー」という行為で、 相手に「あなたは私にDMを送れますよ」という権限を与えるわけです。 これによって、変な人からスパムのようなDMが送られるのを防げますから。
その一方で、不便な点もあります。 公開ではできないメッセージのやりとりをしたいときに、 フォローという行為が必要になるからです。
今回の変更で、 ユーザは「フォローしてない人からのDMも受け取るかどうか」 を選択できるようになりました。
結城はさっそくこの設定をオンにしました。 スパムが来たらブロックすればいいからです。
その結果、どうなったか。
何名か、フォローしていない人からの有益な情報がやってきました。 DMでの話なので詳しくは書けませんが、 著作物に関する許諾の話や、公開できない感想文などです。 言い換えると、ちょうどメールの代替となるようなやりとりです。
メールとDMの大きな違いは「ある程度、あいての身元がわかるかどうか」です。 知らない人からメールが来たとき、 その人がどんな人であるかという情報はほとんどありません。 メールアドレスのドメイン名で所属会社がわかったり、 メールアドレスで検索してブログが見つかったりすれば話は別ですけれど。
でもDMならば、その人のTwitterアカウントが見えますから、
・ふだんどんなことを話題にしている人なのか
・他の人からどんなふうに見られている人なのか
(リストに入っている場合)
などがわかります。 ふだんどんなことを話題にしているかを見るだけで、 おおよその様子はわかりますよね。 これは、メールでなんの情報もない場合に比べたら大きなメリットです。
TwitterのDMがさらに整備されれば、 メールでのやりとりをもっと少なくできるかも知れません。
これからの継続的な改良に期待したいです。
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大学入試の話。
今年2015年の大学入試に『数学ガール』からの出題がありました。 文教大学教育学部学校教育課程(数学専修)の推薦入試の小論文の問題です。 ミルカさんが「約数の和」を求め方を話すシーンと、 テトラちゃんが「僕」に手紙を渡すシーンが引用されて、 「ミルカさんはどんな説明をするかを予想せよ」 「テトラちゃんにアドバイスせよ」という二問が出題されました (問題文は概略です)。
これまでにも何回か結城の本(『数学ガール』や『暗号技術入門』) から大学入試問題などが出題されたことがあります。 結城はたいていそのニュースを、受験者や出版社から聞きます。
出版社というのは結城の本を出している出版社ではなくて、 受験参考書を出している出版社です。 つまり、そういう出版社は入試問題の問題集を作るために、 問題文に登場する書籍の著者に許可を取らなくてはならないのです。 著作権料を支払うためですね。
回数が少ないし、事務処理の方が煩雑なので、 結城はいまのところ、入試問題の問題集などで使われた場合、 「著作権料は不要です」と無料で使用許諾を出しています。
いずれにせよ、 結城の書いた文章を試験問題に使っていただけるというのは、 非常に光栄なことだと思っています。感謝ですね。
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会話の話。
会話をしているとき、発言を否定から始める人と、肯定から始める人がいる。 たとえば、「でも/けれど/そうはいっても」から会話を始める人と、 「なるほど/そうだね/うんうん」から会話を始める人といってもいい。
私は、どちらかといえば、 肯定的な表現から会話を始める人との方が話しやすい。 あなたは、いかがですか。
数学ガールの主人公「僕」は、相手をほとんど否定することがないようだ。 相手の発言を「なるほど」や「そうだね」と受けることが多い。
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未来の話。
アマゾンが有名になりはじめたころ、 「アマゾンの本質はWebにあるのではなく、物流の方にある」 という記事を見た覚えがある。 「Webで買う」ということが現代ほど一般的ではなく、 「Webで買う」という部分だけがクローズアップされがちな時代の話である。
賢い人は何年も先のことが見えているのかもしれない、と思った。
いや、もしかしたら、違うのかも。 「あるべき姿」や「向かうべき方向」がわかっていて、 それを追求しているだけかもしれない。 つまり、未来を見ているのではなく、未来を作っているということだ。
時代は流れていく。
時代の流れにつれて、どんどん変わっていくものがある。 また、まったく変わらないものもある。
変わらないでいたために、廃れてしまうものがある一方で、 変わらないからこそ、輝き続けるものがある。
世間はさておき、 自分にとって、その「輝き続けるもの」は何だろうか。
今日の一歩を、明日に繋がる一歩にしよう。
今日の一滴を、いつかきちんと海まで届けよう。
春から夏へ向かおうとしているこの季節、 しっかりと方向を定めよう。
柔らかな春から、力強い夏へ向かうために。
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さて、それでは今週の結城メルマガを始めます。
今回は、「再発見の発想法」でIdle(アイドル)というキーワードをお届けします。 また「仕事の心がけ」のコーナーでは「Evernote活用法」のお話をしましょう。
では、結城メルマガをゆっくりお楽しみください!
目次
- はじめに
- 再発見の発想法 - Idle(アイドル)
- Evernote活用法 - 仕事の心がけ
- 「次の一歩」を進めよう!
- おわりに
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