ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十二回
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『カエルの楽園』第二章
次の日、元老会議が行なわれました。
この日は朝からずっと雨が降っていたこともあって、小島の周囲には大勢のカエルたちが集まっていました。ソクラテスとロベルトもそこにいました。
会議の冒頭にプロメテウスが発言しました。
「昨日、南の崖を登ったウシガエルは五匹を数えました。これはハンニバル兄弟が確認しています」
元老たちの顔には明らかに動揺の色が浮かびました。
「もはや一刻の猶予もなりません。スチームボートとの協定を結ぶ必要があります」
いつもならすぐに反対の声を上げる元老たちも黙って聞いています。おそらく、ウシガエルが一挙に五匹も崖の上に姿を現したという事実を深刻に受け止めているからだろうと、ソクラテスは思いました。
「たしかにスチームボートはわたしたちを利用しようとしているのかもしれません。それは絶対にないとは言えません。しかしわたしたちもまたスチームボートを利用しようとしているのです。すべて自分たちだけが得をする約束事というのは、この世に存在しません。それはあまりにも都合のいい考え方ではないでしょうか。スチームボートが誰かに攻められたならば、わたしたちは彼を助けるために一緒に戦わねばなりません。その代わり、わたしたちがウシガエルから攻められたときは、スチームボートが助けてくれるのです。この恩恵は限りなく大きなものがあります」
元老たちはみんな考え込んでいます。
「みんな、騙されるな!」
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コメント
コメントを書く(ID:29746052)
週に一度のお楽しみ♪
今週もまたとんでもない展開でしたね!!
ハラハラしながら一気に読んでしまって、また「え?もう今週終わり?」とか思ってしまいました。。。
大変スイマセン・・・
ですが、ナパージュがデイブレイクやフラワーズの考えだけで出来ているわけではなく
気概のある元老や、それを後押しする国民も多数いることがわかって
少しホッとした感もあります。
それよりも・・・とうとう今週で現在の状況に追いついてしまいましたね!?
ということは次号以降は今後のわが国の予測ということになってしまいませんか???
この先ウシガエルの本格的な略奪が始まるのでしょうか?
それともスチームボートの大ナタさばきが始まるのでしょうか?
はたまた、ナパージュの国民が一致団結して危機自体に対処するのでしょうか?
ここから先は百田先生の予言者ぶりにご期待、ですね(笑)
ますます目が離せません!!
(ID:52185694)
最近になって、ようやく気付いたのですがカエルの世界を描いているのは、「井の中の蛙」の諺からきているのでしょうか。鋭い読者の方は既に感じておられたでしょうが、ふと最近そのように感じました。ナパージュは「井の中の蛙」の集団なのかもしれませんね。
(ID:2877858)
なんだかもうナパージュの蛙達は一度ウシガエル達に食い殺されればいいと思ってしまいますね。そうなれば痛快です。