世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その9(1,786字)
江戸末期に鎖国を解いて以降、日本は西洋文化を急速に取り入れていった。
その結果、日本の美術工芸品は最初期こそ鎖国をしていたことによる独自性や、それが西洋文化と融合したことによる革新性を持っていたが、やがてそれらは陳腐化していき、次第に魅力を失っていった。一九一〇年代には、日本の美術工芸品はすっかり西洋化してしまい、それまでのオリジナリティ溢れた美的感覚というものを失っていた。
ちょうどその頃、第一次世界大戦が勃発する。これは世界の様相を大きく変化させ、時代は近代から現代へと移行していった。
その中で、世界の美術界はアール・ヌーヴォーからアール・デコへと移り変わっていく。それは、アール・ヌーヴォーが近代的なブルジョワジー向けの美術であったのに対し、アール・デコは科学技術の発展を背景にした中産階級向けの美術であったため、第一次大戦後の中産階級の勃興と拡大に伴い、アール・ヌーヴォーは廃れ、アール
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