ライトノベルの書き方:その29「『桃太郎』における『鬼』の稚拙な描き方について」(1,680字)
「桃太郎」における鬼というのは、物語的に少し特殊な立ち位置にいる。それは、桃太郎に対して直接的な被害を及ぼしていない――ということだ。桃太郎とは利害関係が少ないのである。それでいて、桃太郎から攻撃を受ける。そして物語内では、この桃太郎の攻撃に対して一切の批判がない。ということは、鬼というのは「絶対的な悪」あるいは「象徴としての純粋悪」として描かれているのである。
ここが、「桃太郎」が物語としては「稚拙」と見られる要因ともなっている。
昨今は、なかなか「絶対悪」という概念が成り立ちにくい。そこで物語の制作者たちは、「どのように悪を生成するか?」ということに頭を悩まされている。実際、その生成過程が一つの物語にもなったりするほどだ。
例えば「スター・ウォーズ」の「エピソードⅠ」から「エピソードⅢ」までは、まさに「悪の生成」のみを描いているといってよい。則ち、ダース・ベイダーという悪がどのように生
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