ハックルベリーに会いに行く

多様化時代の野蛮人(2,635字)

2013/11/18 06:00 投稿

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ここ数年、「小説家になりたいのだが、どうすればいいか?」というシンプルな質問を受けることがある。「本を出したいのだが、どうすればいいか?」とも。あるいは、「本を売りたいのだが、どうすればいいか?」と聞かれることもある。

そういうふうに聞く人は、小説家になったり本を出したり本を売ったりすることに、何か「シンプルなコツ」あるいは「テクニック」があると想像しているのだろう。そうして、ぼくがそのシンプルなコツやテクニックを使って、本を出したり売ったりしていると思っているに違いない。

だから、そういう質問は答えに窮する。なぜなら、小説家になったり本を書いたり本を売ったりすることに、シンプルなコツやテクニックなどないからだ。

それでも、そういうふうに聞かれると、何らかの答えをしなければならない。そこで近頃では、「ぼくのブロマガを読んでください」と答えるようにしている。
なぜなら、ぼくのブロマガには、小説家になったり本を出したり本を売ったりすることの「シンプルなコツ」や「テクニック」こそ書いていないものの、これまで積み上げてきた経験や、それに基づいた分析だったら、微に入り細に入り記載しているからだ。

特に、バックナンバーの「『もしドラ』はなぜ売れたのか?」には、「もしドラ」をどうして本として出せたのか、あるいはどうしてそれがヒットしたのかということの理由を、著者という立場からレポート・分析したものなので、そういう質問をされる向きにとっては、必ずや役に立つはずと思うからだ。

そうして今回も、そういう方々のご要望にお応えするというわけではないのだが、「小説を書くためにはどうしたらいいか、本を出すためにはどうしたらいいか、本を売るためにはどうしたらいいか」ということについて、書いてみたい。
 

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