石原莞爾と東條英機:その49(1,857字)
皇道派の荒木貞夫は「気のいいおっさん」だった。気のいいおっさんで若者好きだったのだが、こういう人物はときどきいる。
そしてここからが少し複雑なのだが、荒木貞夫はやはり頭が少し悪かった。陸大を主席で卒業しながら「頭が悪い」とはどういうことか? それは「言われたことは苦もなくできるが自分の頭で考えるのが苦手」ということである。エリートや秀才には、このタイプが一定数いる。
また荒木の盟友・真崎甚三郎は自己顕示欲の塊だった。いうならば真性の「俗物」だ。荒木と真崎は、お坊ちゃんとその取り巻きの俗物という感じで相性がいいのである。
ちなみに真崎は昭和天皇とも非常に相性が良く、戦後においても何くれとなく引き立てられた。やはり、人の上に立つ育ちの良い人間にとって「俗物の側近」ほど助けになり、頼りになる人物はいないのである。ここが、育ちの良い人間が人の上に立つということの本当に難しいところだ。
また越境将軍
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