石原莞爾と東條英機:その38(1,909字)
満州事変の直前まで、張学良は中国軍と手を結んで、満州鉄道の隣に新たな鉄道を建設し、これの実質無効化を計画していた。
これが一つのきっかけとなって、日本軍はとうとう陰謀に打って出る。指揮をしたのは板垣征四郎で、作戦を立案したのは石原莞爾であった。
ただこのとき、板垣と石原は、いかに蜜月の中であろうと、「満州の未来をどうするか」という事変の基本コンセプトについて、とことんまですり合わせたわけではなかった。それは、なにしろ作戦が成功するかも分からなかったから、そこまで先のことを話すのは「取らぬ狸の皮算用」で、あまりよろしくないというのがあったのだろう。
しかし、ここでコンセプトを明確にすり合わせておかなかったことが、後々満州事変の「失敗」を招くことにもなる。コンセプトが不明確だったため、後から来た他の勢力に「コンセプトの乗っ取り」を許すのだ。
そうして石原には、それを跳ね返すだけの膂力、また求心
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書く