庭の文化はエジプトから始まった。その後ギリシアを経てローマに受け継がれる。いわゆる「ヘレニズム文化」だ。

ローマは「建築」と「水道」が自慢だったので、庭もそのまま「建築」と「水道」あるいは「池」が主役となった。それが一つの定番となって、ルネサンス期まで引き継がれた。

一方、ローマの庭はアラブ世界にも引き継がれた。アラブはローマより乾燥していたので、より「水道」の重要度が増した。水道を引き込み、その水で植物を育てた。

だから勢い「建築」が主役になった。石が主役になったのだ。そうしてアラブでは幾何学的な庭が流行した。

また、ローマ式庭園はフランスにも引き継がれた。フランスは国土全体が緩やかな傾斜地なので、イタリアほどに水道を張り巡らせなくとも川から豊富な水を引き込むことができた。そのため植物がよく育ったので、水道や建築は必ずしも庭の主役とはならなかった。それに代わって植物が主役になった。

ただ