ぼくは、庭には二つの機能があると思う。一つは「歩く」。もう一つは「見る」である。この二つの機能をどんな庭も基本的に持つ。そしてこの二つの機能を高いレベルで満たせることが、いい庭の条件ではないだろうか。
イギリスの庭は、どちらかというと「見る」ことに特化している。それは、イギリスの空が格好の背景となるため、見栄えが良くなりやすいからだ。観賞用として成立しやすい。
だから、見ることに比重が置かれる。また、狭い場所でも成立しやすい。
それに比べると、日本の空は白いために、なかなか見栄えが良くなりにくい。そうなると、どうしたって「見る」ことよりも「歩く」ことに比重が置かれる。
実際、日本の庭園は極度に歩くことが重視されている。歩くことによって生まれる、その景色の変化を楽しむことに主眼が置かれている。そうして、「見る」ことを楽しめる庭園はきわめて少数となっている。
そのため、日本ではなかなか個人の庭
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丸の内の三菱第一号館美術館の前の庭は好きです