人は「社会」なしでは生きていけない。だから、社会――多数の他者と上手く関係を築かなければならない。
そのとき、コミュニケーションの媒介となる「共通の価値観」が必要だ。それが「公平」である。公平性がプロトコルとして確立できる人同士は、円満に関係を構築できる。逆に周囲から「こいつは公平感覚が狂っている」と思われる人は、円満なコミュニケーションを構築できない。
だから、そういう人はどんどん淘汰されていった。それで、公平の価値観が比較的に似た人だけが生き残った。先天的に皆が納得できるような公平の価値観を持っている人だけで構成されているのが、現生人類なのである。その意味で、同じ公平の価値観を共有することは、人類が存続するための鍵ともいえよう。
そんなふうに、社会は「公平」を基軸に展開してきた。公平こそが要で、いうならば社会を構成する上での軸だ。お互いに「公平」という共通言語があるから、人と人とがくっ
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