大野耐一がいなければ、トヨタ生産方式はトヨタに根づかなかった。またトヨタ生産方式がトヨタに根づかなければ、トヨタは今頃潰れていたかもしれない。

というのも、現在社長の豊田章男が2009年にトヨタの社長に就任したとき、トヨタはリーマンショックやアメリカでのリコール問題でボロボロだったからだ。豊田章男はこれを解決し、トヨタを再生させる必要に迫られた。

そのとき、豊田章男が頼りにしたのがトヨタ生産方式だった。なぜなら、彼自身若い頃に工場で働き、トヨタ生産方式の薫陶を受けていたからだ。そこで、トヨタ生産方式の凄まじい威力を身をもって体験していた。

だから、経営がピンチに陥ったこのときも、トヨタ生産方式に賭けたのだ。この伝家の宝刀を用いることで、難局を乗り越えようとした。そうして実際、幾多の難局を乗り越えてきた。

その後、豊田章男は新たな課題に直面する。それが、ガソリン自動車から電気自動車への転換で