日本ではなぜかすっかり廃れてしまった価値観に「正しさ」がある。それよりも、「正しさは人それぞれだよね」といって、正しさの存在を否定する人の方が多い。
しかしながら、ぼく自身がこれまで多くの人を見たり聞いたりした中で、「正しさは人それぞれだよね」と言っている人は必ず不幸になっている。理由は簡単で、心と体が引き裂かれるからだ。解決できない矛盾に苦しめられるからである。
そもそも「正しさは人それぞれだよね」という言葉を発するとき、その人の中ではそれが「絶対的に正しい」ことになっている。その意味で、「正しさは人それぞれ」と矛盾してしまっている。
ところが、その矛盾を指摘しても、彼らはそれを修正できない。なぜなら、彼ら自身はその矛盾が見えなくなっているからだ。文字通り盲点で、自分が矛盾していることに気づけなくなっている。
こういう人は、とても苦しむ。なぜなら、自分の矛盾が見えなくなると、やがてそこの
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