31のときの年収が99万円で、32のときの年収が95万だった。ここからさらに税金や保険を引かれるのである。今なら生活保護を受ける資格があったともいえよう。少なくとも税金や保険はもっと減額されてしかるべきだったが、ぼくは生活が荒れ、心もすさんでいたので、そういうことをする余裕がなかった。ただ生きているという感じだった。
ただ、未来に希望がないわけではなかった。それは蜘蛛の糸のようにごく細い、ほんのかすかな希望だったが、ぼくは小説が好きで、小説を書きたいと思っていた。そして実際に小説を書いていた。この小説がいつか売れたらぼくはもう少し生きていられる……そう思うことが当時の唯一の希望だった。今思えば、それがある
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個人的にも「人にものを教える」は多かれ少なかれ仕事してるとずっと関わりのあることなので、連載を読むのが楽しみです!