ここまで、科学というのは「道具を作るための知識」であるということを見てきました。
そして人間を他の動物と区別するとき、最も顕著の一つは「道具を使うこと」なので、科学を扱えるということはある意味、人間が人間であること証明ともいえるでしょう。そう考えると、科学を学ぶことは、とても「人間らしい行為」なのです。
さて、そんなふうに人間は、科学を用いて道具を成形してきました。このとき、太古から存在し、今も欠かせない「科学」としてあるのが「火」です。
火は、人間にさまざまな恩恵をもたらしましたが、とりわけ道具を作る技術――すなわち科学を大幅に進歩させました。火を扱うことができなければ、道具がここまで進化することはなかったでしょう。スマホや電気自動車、ロケットといった現代の最先端の道具も、大元はこの火を使いこなすというところから始まり、生まれたのです。
火というと、真っ先に思いつくのは料理に使うことです
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