台獣物語16(2,827字)
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その手帳を届ける場所は、春香が通う赤松小学校というところだった。そこで今日、午後一時から何かの集会があるらしい。
手帳は、その集会に出席する、子供会会長の日田朋美に渡してほしいとのことだった。
赤松小学校は、米子市の東隣、大山町にあった。
大山町は、もとは農業と大山への観光が主な産業の、人口二万にも満たない小さな町だった。ところが、台獣が来るようになって状況が一変した。今日では、台獣の格好の見学スポットとして、日本有数の観光地になっており、宿泊施設をはじめ、たくさんの関連施設が建っていた。
そればかりか、台獣の研究所や、それに付随した国立大学、あるいは獣道を警備するための軍の施設など、公的機関も多数設置されるようになった。そのため、観光地とは別に、学園研究都市の趣をも兼ね備えるようになったのだ。
その中でも赤松は、エミ子の叔父の英二が務めている台獣防衛研究開発センターや、
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