皆様、こんにちは。加藤一二三です。
毎回ニャンとも言えない加藤一二三伝説を御愛読頂き、誠に有難うございます。

《目次》
1.好きなことば・思い入れの深いことばたち
2.大盤振解説から見えてくること
3.お知らせ

《本文》
1.好きなことば・思い入れの深いことばたち
  「将棋世界スペシャルNo.4『加藤一二三』」(通称:ひふみんムック)は、この度ついに11月30日に発売の運びとなりました。Amazonで予約してくださった皆様、お買い求めくださいました全国の皆様、誠にありがとうございます。
  それに先立ち、将棋会館にて100冊のムックに揮毫して参りました。
  本日はまず、わたくしにとって思い入れの深いことば、すなわちこれからしばしば揮毫に登場するであろう愛することばたちについてお話いたします。
  まず、新しいことばとして、『グラジオラスの花』に挑戦してみました。小学校3年生のときのこと、図工の授業で“グラジオラス”の花を描くことになったわたくしは、はじめてじっくりとその花を観察いたしました。一年生のときに描いたチューリップはシンプルな構造が万人から愛されるのだと思いますが、それと比較して非常に巧みに造られているグラジオラスにも感心いたしました。このような花は自然にできるものではなく、人智を超える存在によって創造されているのだ、と幼な心に直感したわたくしは、暖かいものに包まれたときの安堵感なるものを感知いたしました。今にして思えば、それは後にカトリックの信仰を持つことになるわたくしの、「神」という存在との、はじめての出逢いだったのかも知れません。