東京開幕週の初日に注目の2歳重賞が行われる。サウジアラビアロイヤルC(重賞、芝1600メートル、10日)は、前身のいちょうS時代から出世レースとして知られている。今年の主役は良血アストラエンブレム(牡、小島茂、父ダイワメジャー)が務める。小島茂厩舎からまた1頭、大物登場の予感だ。
重賞制覇に挑む小島茂厩舎期待のアストラエンブレム
今年の2歳戦で話題を集めているのが小島茂厩舎の2枚看板だ。新潟2歳Sを快勝したロードクエストに続き、今週はアストラエンブレムが重賞制覇に挑む。
新馬戦は出遅れ、最後方からの競馬でロスカボス(野路菊Sを制し、デビュー2連勝)に迫る2着。仕切り直しの未勝利戦は衝撃のパフォーマンスだった。新潟芝1600メートルで上がり3ハロン32秒6をたたき出し、持ったままで2着に4馬身差。小島茂師も「2歳だからまだ分からないけど、こちらの思う以上かもしれない」とほれ込む。
マツリダゴッホ産駒で母がJRA未勝利馬のクエストに対し、ダイワメジャー産駒で母が秋華賞馬、兄が重賞ウイナーという超良血。対照的な2頭にはそれぞれ明確な目標がある。クエストは12月27日のホープフルS(G2、芝2000メートル、中山)に向かうことが決まっており、「距離は延びた方がいい。来春を意識して使っていく」と小島茂師。一方のアストラは夏の後半を休養に充て、ここを目標に調整されてきた。「田辺君はブライトと違って落ち着きがあると言ってくれた。レース後のことはまだ何も決まっていませんが、当然、そこに行けるようにしなくちゃ」。半兄は昨年の朝日杯FSで2番人気7着。年内に狙うレースは兄同様、朝日杯FS(G1、芝1600メートル、12月20日=阪神)になる可能性が大きい。
「ここでどんな競馬をするか。それを踏まえて来年の春に向かいたい」。結果次第では厩舎の朝日杯FS、ホープフルSのダブル制覇も見えてくる。【木南友輔】
◆最強世代 初年度産駒が2歳戦で活躍すれば、翌年は交配する繁殖牝馬の質が急激に上がる。ダイワメジャーの初年度産駒は11年秋の2歳戦で25頭が勝ち上がる好スタート。12年春に交配されて生まれた現2歳世代を社台スタリオンステーション関係者は「メジャー最強世代」と表現する。今年の2歳戦18勝は種牡馬別最多勝(2位はディープインパクトの13勝)だ。
◆サウジアラビアロイヤルC 日本とサウジアラビア王国の外交関係樹立60周年を記念して、昨年までのいちょうSが改称された。昨年重賞に格上げされたばかりだが、オープン特別時代から出世レースで、13年イスラボニータ(14年皐月賞)、14年クラリティスカイ(15年NHKマイルC)と2年連続で勝ち馬がG1馬となった。名牝エアグルーヴ、メジロドーベルもこのレースの勝ち馬だ。
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