田原総一朗 ネット選挙は「不偏不党」を口実に、肝心なことを報じない既存メディアを変えられるか?
今回の参議院議員選挙から、ネットの選挙活動が解禁された。この動きは、時代の流れからみて当然のことだろう。いや、むしろ遅すぎたと言えるかもしれない。従来の選挙での街頭演説などでは、いい加減なことを言ったり、ひどい中傷などもあった。ところが、ネットでの発言は記録が残ってしまうから、発言が慎重になるというメリットもある。
今回のネットでの選挙活動の解禁で、僕は気になることがある。既存メディアが、どういう選挙報道をするのか、そのあり方についてだ。気になると言ったが、はっきり言えば、新聞などの報道に僕は苛立っているのだ。
例えば、新聞は各党の公約を並べて載せる。けれど、公約を並べるだけで、分析、批判はしない。なぜか。「不偏不党の原則」に従っているから、ということらしい。だが、「不偏不党」というなら、すべての党に対して、きちんと批判すべきことは批判するという姿勢でいけばいい。分析しない、批判しないことが、「公平」なんかではないのだ。ところが、どのメディアも、コンプライアンスという言葉にがんじがらめになっている。
新聞だけではない。テレビも同じだ。「無難に」という姿勢になって何もしなくっているのだ。ところが、ネットは「不偏不党の原則」にしばられない。だから思い切った企画もできる。そして、何よりもスピード性がある。
既存メディアの人間たちは、自らの存在意義を考え直さなければならないのではないか。このままでは、既存のメディアから人びとは離れて行くだけだろう。
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2013/07/18(木) 12:00 長谷川幸洋コラム第12回『今回の参院選は与党勝利のつまらない選挙ではない 成長をめぐる歴史的選挙』
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