ゲキビズ田原通信

長谷川幸洋 コラム第5回 「規制改革会議で見えた国民より社会福祉法人が大事な厚労官僚のホンネ」

2013/05/30 12:00 投稿

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  • 長谷川幸洋
  • 待機児童
  • 規制改革会議
  • 少子化問題
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 横浜市が5月20日、待機児童ゼロ(4月1日現在)を達成した、と発表した。これを受けた形で、21日には安倍晋三首相が横浜市内の保育所を視察し「横浜方式を全国に広げて5年間で待機児童ゼロを達成したい」と語っている。
 待機児童問題は子どもを持ちながら働く母親だけでなく、父親にも切実な話である。子どもがいても夫婦で働く環境が整えば、少子化問題の解決につながる。働き手が増えるのだから、日本経済の活性化にも役立つ。
「横浜は保育所が整っているらしい」という話が広まって、通勤時間が長くなっても、わざわざ東京都内から横浜に引っ越す例もあるそうだ。「自分の税金はそういう街に払いたい」と人々が住む街を選択する。まさに「足による投票」である。

 待機児童は2012年4月現在で2.5万人といわれる。だが、この数字は低すぎる。潜在的には「85万人」という推計がある。問題の裏側には何があるのか。

待機児童ゼロを実現した「株式会社参入」

 私が委員を務める政府の規制改革会議でも、この問題に取り組んでいる。そこでの議論を通じて、私が理解したのは「ここにもやはり既得権益集団がいた」という事実である。そこで今回は待機児童問題のカラクリを紹介したい。
 まず、横浜はなぜ待機児童ゼロを達成できたのか。勝利の鍵を握ったのは、保育所事業に対する株式会社の参入促進である。

 横浜は10年には全国で最多の1552人に上る待機児童を抱えていた。そこから09年8月に就任したばかりの林文子市長の大号令で待機児童問題に取り組み、わずか3年でゼロ目標を達成した。 

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