あくあんず のコメント

「生産額ベースで計算すると、66%と、ぐんとアップする」という風に書かれていますが…
作物の種類を問わずに何でもかんでも「農業」でひとくくりにするのも、どうかと思います

極端な話ですが、国内農家が全戸TPPでの国際競争力を重視し、魚沼コシヒカリなどの一部ブランド米生産地域を除いて、米の生産から手を引いたとしたら、どうなるのでしょうか
(実際に、ブランド米生産地域を除き大多数の米作農家は「米価の下落」に悩んでいる訳で、あり得ない話ではありません)

米農家全体が効率・収益を重視し、米作から国際的に評価の高いリンゴやミカン他の果樹、また例に挙げられている野菜などの作付けにシフトした場合、「生産額ベース」の自給率は更に上昇し、各農家の収益も上がるとは思いますが、実際の「米の生産量」は減る訳です
農業全体がこうした流れにシフトしていくとすれば、最悪の場合よほど裕福な家庭を除き「手ごろな価格の米が不足して、ろくに米も食べられない」という事も考えられます
リンゴ他の果樹や野菜などでは、いくら収穫量が増えようが主食である「米の代わり」にはなり得ません

こうした「効率・収益重視」の未来にあるものは、「貧乏人は米を食わずに野菜や果物を食え・もしくは輸入米を食え」という事なのでしょうか
(輸入米とて、世界の大多数の国が短粒種のジャポニカ米ではなく、長粒種のインディカ米を生産し、食文化としている訳で、輸入できる国も限られますが)

農協の役割には、こうした不具合を避けるための「各種目の生産量の調節」という側面もあります
「国内への食糧の供給」という点からは、ある程度の種目ごとの生産量の調節・統制などは、されるのは仕方ない面もあるかと思います
工業やサービス業などのように、各農家が全くの縛り無しに「好き勝手に採算の取れそうな高収益の作物を作る」という訳にはいかないのです
そうした側面を知らず・挙げず・無視しての「農協は悪の組織」的な論など、正直滑稽としか言えません

どうも実際の現状を知らず、頭の中の・書籍の・誰かの理論理屈の中の「農業」のみで語っているような感を受けます

No.14 147ヶ月前

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