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かつて、日本にもたらされたとき、多くの人々が驚きの眼差しで見守っていた「幻の果実」が、時を経て、ようやく全国の食卓にも並ぶように...先頃、そんな夢のある話題が飛び込んできた。静岡新聞などが伝えている。



その「幻の果実」とは、北米原産の「ポポー」と呼ばれるもの。この「ポポー」は、バンレイシ科に属する落葉高木で、明治期に日本へとたらされると、その見た目や濃厚な味などから「アケビガキ」などの通称で呼ばれ、一時的には全国的なブームとなっていた。しかし、原産地の生育環境と、日本のそれがマッチングしなかったためなのか、これまで大量に栽培されることはほとんどなく、昭和初期のブームが過ぎた後は、一部で育てる者もあったというが、全国的にはほとんど流通しなくなってしまったという。

しかし、この「ポポー」に対して、強い想いを抱いている人物がいた。静岡県清水区に住む塗装業の望月史さん(56)だ。望月さんは幼き日に食べた「ポポー」の味が忘れられず、現在、独力で180本もの「ポポー」の木を育て、商品化に成功したのだという。

バナナや柿、洋ナシやマンゴーなど、様々な果物を混ぜたような複雑で濃厚な甘さが特徴だというこの「ポポー」。そう遠くない将来、望月さんの育てた「ポポー」が広く全国に流通し、その「幻の味」に多くの人々が舌鼓を打つ日が訪れることだろう。

文・山田浩一

■参照リンク
http://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-1000

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