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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「『魔女の宅急便』は構成が失敗だった?」(前編)

2015/10/14 06:00 投稿

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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/10/14
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「『魔女の宅急便』は構成が失敗だった?」

 以前、岡田さんはアニメアワーで『魔女の宅急便』は構成が失敗していると発言されていました。  構成の失敗とは、具体的にどういうことでしょうか?

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 『魔女の宅急便』って、実はジブリのアニメーターの女の子の話なんだ。
 「子どもの頃から絵が描くのが得意な女の子が上京して、スタジオジブリに縁あって、アニメを仕事にするようになりました」という話。


■『魔女の宅急便』はジブリのアニメーターの女の子の話

 自分の趣味であった絵を社会の役に立つアニメという形に変換していく。
 しかし、そのアニメは社会に必要とされてないかもしれない。
 そのアニメのメッセージは古臭いかもしれない。
 それは宮崎駿が作為的に、「俺のアニメは古臭い」と作品の中ではっきり言ってる。

 宮崎駿のアニメは技術はすごい。
 でも『天空の城ラピュタ』の頃のような、「まっすぐな少年少女が正しくて、汚い大人の陰謀に負けるな」という内容自体が、すごく古臭い。
 これは自分でも自覚してる。

 『魔女の宅急便』では、おばあちゃんが焼いたパイを、キキが届けようとするんだけど、孫娘は「同じパイはもう飽きた。もう食べたくない」と言う。

 宮崎駿のアニメを見るのは、アニメファンだけ。
 じゃあ、肝心の子どもたちは見ているのか?
 『となりのトトロ』みたいな作品は別として、宮崎駿が本気で作っているアニメは、「どうでもいいや」「古臭いや」って思われてること。
 それを宮崎駿はすごく自覚的にとらえていて、それを『魔女の宅急便』の中で、こっそりとカミングアウトしている。


■宮崎駿は古臭いことを自覚している

 この一連の流れは素晴らしいよ。
 自分自身の置かれている状況を、エンターテイメント作品で女の子を主人公として、きっちり出している。

 アニメーターとして、キキはそのパイを届けるだけの役割しかない。
 つまり、宮崎駿が考えたお話を作るだけのスタッフにしてみれば、宮崎駿の話は古臭いと思ってる。
 ジブリの中でもそういう話はおそらく出ている。

 「宮崎駿以外の作家をたてなきゃいけない」という企画会議の内容がガンガン聞こえてくる。
 それが「おばあちゃんが作ったパイは古臭い」という話のなかに織り込まれているんだよ。


(次号へ続く)


【まとめ】
 宮崎駿のアニメは技術的にすごいですが、内容は古臭いです。
 宮崎駿自身もそれを自覚していて、『魔女の宅急便』でカミングアウトしています。
 その一連の流れは素晴らしいと思います。
 

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