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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/12/31
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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神島竜さん/23歳/独身の新入社員/クラウド市民
「小説が書けません」
【質問】
“10万文字の小説が書けなくて悩んでいます。私はこれでも小さい頃から、小説家に憧れているのですが、なかなかどうして、10万文字以上の長編が書けません。夢を諦めるにしても、一度、自分の書いた小説を賞に投稿して落選してから諦めたいのですが、どうやったら書けるようになりますか。アドバイスお願いします。”


【回答】
 今、コメントで「オムニバス」と流れてる通りですね。短編の組み合わせで長編にしちゃえばいいだけなんですけども。どちらかと言うと短編書けない人の方が、小説家には多いんですね。

■短編の組み合わせで長編にする
 職業小説家になってくれば、長編はキャラクターが自分の中におりてきて出てきてしまえば、そいつらが勝手にしゃべる。だから、どの時点で終わらせるかとか、どうやって短く読者が読んでくれるような分量の10万文字程度におさめるかの方が難しくなってくるんですね。
 でも、短いものしか書けないと言うなら、2、3千文字でショート・ショートって言うのは構成力が難しいと思うのです。5千から1万文字くらいの短編を書いて、それの組み合わせでオムニバスで勝負するのがいいと思います。

■長編を書くなら、好きなシーンだけを書く
 どうしても本格的な小説家や長編を書こうとするなら、決定的な解決法はないけれど、よく言われるのが自分の好きなシーンだけ書くことですね。自分の好きなシーンを書いて、あまりつながりを考えない。そうすると、長編にはならないんですよ。冒頭のシーン書いて、クライマックス書いて、エンディングだけ書いて、それをそのまま放っておくのですね。そういう作品を、何作品も書いて置いておく。2つ以上の作品が頭の中で融合してくるんですよ。
 なんでもいいから「自分が面白いな」と思ったシーンや書きたいシーンばっかり書いて、ある程度分量が決まってきたら、Aというストーリと、Bというストーリー、Cというストーリーを混ぜて、無理矢理ひと繋がりにしてください。

■矛盾をつなげるブリッジを考えれば、10万字に達する
 つまり、ワンピースにしちゃうんですね。そうすると、矛盾が生じてくる。もしくは主人公が途中でころっと変わるから。それの間を埋めるブリッジ部分を書かなきゃいけないんですよ。このブリッジ部分を書いてみたら分かるのですけど、割と分量がいるんですよね。

「エヴァ商法」(コメント)

 エヴァはこんな作り方してない(笑)。まあ、好きなシーンしか作らないってのは庵野君的ではあるんだけども。
 このブリッジは結構手間がかかるんで、これやったら、あっという間に10万字以上になると思います。そういう小説の書き方してる人は日本の文豪や海音寺潮五郎のように時代小説を書いてる人たちは、巨大な半紙に何行かのメモを書いて、それを大広間にバーっと並べて、はしごに登って上から見て構成案を考えたそうですね。今でいうカード方式で、もしくはアウトラインプロセッサ方式とも言うんです。カードにバーっとメモを書いて、それを前後させてお話を作る役割とエロゲーのシナリオ作るみたいなことを海音寺潮五郎や明治から昭和の文豪もやってたそうなんですね。あまり長編小説を書くことを考えずに、とりあえず書きたいことをどんどん書いてください。それを無理矢理つなげようとしたら、勝手に長くなりますので、がんばってみてください。

【まとめ】
 短編をつなげて長編にするという方法があります。もしくは、自分の好きなシーンだけを沢山書いて、それを無理矢理つなげれば自然に長くなります。

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【おしらせ】
会員限定動画 公開予定
12月31日  岡田斗司夫 第45回ゴー宣道場『道徳教育は可能なのか?』第一部・前半
1月1日      岡田斗司夫 第45回ゴー宣道場『道徳教育は可能なのか?』第一部・後半
1月2日      岡田斗司夫ゼミ12月28日号『漫画家・田中圭一が実践できる鬱対策をインタビュー』

都合により、公開予定を変更させて頂きました。
ご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございません。