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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の解決!ズバっと 2014/11/17
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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「自炊代行の控訴審判決」
【質問】
“自炊代行が著作権侵害しているとの二審判決が出ました。一言下さい”
【回答】
自炊代行って、スキャン代行のことだね。つまり、本をバサバサに切ってスキャンで読み込む、ってやつが敗訴したことなんだ。僕の個人的な立場から言うと、「そこまでして著作権守って何したいの? バカじゃねえ」っていう(笑)。
法律は守るべきで尊重すべきなんだけども、「良い法律か悪い法律か」って言うと、著作権絡みの法律は大体悪いわな、良くない。なぜ、良くないかと言うと、社会の進歩、文化の進歩、著作権で守るべきなのは、製作者の権利じゃなく文化なんだ。
明らかに著作権違反が、犯罪が文化の発展を邪魔してるんだったら、罰せなければいけないんだけども。ただ結果的に著作権法自体が文化を縛っちゃってるん だったら、著作権法を変えなきゃいけない。でも変えるというのは議員さんの仕事だったりするから、今のところこの番組では触れないようにするな。
自炊代行っていうのは何か。僕らが買ってる本あるわな。どんな本でもいいんだ。で、本を買った時に僕らには、どこまでの権利があるのか。まず私的複製の 権利がある。私的複製っていうのは、「この本が大好きだからすごく読みたい、でも読んでたらボロボロになるかも知れない。そうだ、コピー機でコピーとろ う」って言って、コピーをとると。これが私的複製。これは権利があって、認められてる。
じゃあ、これをスキャナでスキャンして自分のiPadとかで読めるようにしようと。これも全然OK。これも権利がある。 スキャンして本をバラバラにしてもいいし、その本をそのままでスキャナでとるのも、私的複製だから権利がある。
じゃあ、それを代行業者に頼む。だって自分で本をバラバラにして、スキャナで読むの大変じゃん? それを代行業者に頼むのはどうかと。これに関しては著作権違法であるというような判決が出ました。一審で有罪が出て、二審でもやっぱり有罪が出てしまった。
さあ、これはどう考えるか。さっきは僕の皮膚感覚で「そんなものろくな法律じゃねえや」って言ったんだ。ここから先はビジネスの話。今週号のコミックモーニングの『インベスターZ』でやってるような、「善悪ではなく損得で考えよう」って話でしてみるな。
損得で考えると、自炊代行を著作権違法としたのは、明らかに国益に反してるんだよな。自炊は1冊の1400円ぐらいの本を買って、さらにそれを手間かけ て本をバラバラにしてスキャナで読んで自分のiPadとかで読めるようにするわけ。つまり、1冊の本に1400円プラス何100円とか1000円ぐらいの コストをかけてくれる人なわけだよな。そういう人のかけてくれるお金とかを外国に持ってっちゃうことになるんだよ。これ日本では著作権法違反の判例が出 ちゃったんだけども、簡単なことで、こんなものは中国でやればいいだけ。
中国にいっぱいスキャナ用意して、日本の本を置いておく。日本で本買うよね。それを中国に送るってもいいし、Amazonでクリックした瞬間にAmazonの輸送先に中国の自炊業者を選択したら、中国で自炊してそのデータだけ日本の本人に転送してると。
これは完全に私的複製の範囲内だし、その自炊代行という部分が有罪かどうか、となると中国の法律に乗っちゃうことになっちゃう。それだったら中国で大きいビジネスチャンスができてしまって、日本のビジネスチャンスを失う、ってことだけなんだよね。
日本の法律のやってる人たちは、「自炊代行というグレーなものが違法になったら取り締まれる」と思ってるんだけども、そうじゃない。こんなデータのやり取りなんか、どの国だって関係ないんだから。
で、この本だったら自炊1冊、1000円とか2000円出す人が年間どれぐらいいるのか。年間100万人いたら、それだけで10億円の産業なわけだよ。 その10億円の産業っていうのを日本の国の会社に落とさずに、自炊代行を一生懸命やって、自分達の本の複製をやらせてる人に行かずに、中国のスキャナで バーっと読む業者にやらせてる。これって損得で考えたら、明らかに損な判例だと思うんだよね。
で、自炊代行を禁止したからといって、自炊を止める方法はない。もしそうなんだったら、著作権の大元である私的複製まで禁止すべきなんだよな。でも、ベルヌ条約でも概念に反してるか、出来るはずがないんだよ。ということは、私的複製を認めた瞬間にどのような手段でもOK。例えば「私的複製の代行がダメ だ」と言われたら、「じゃあうちは機械だけ用意しますよ」「あなたが来てバイトをその場で自分で雇ってください」「自分で雇って自分でやらせてください」 になっちゃったら、またこれがグレーゾーンになるし。
「電子書籍の普及を邪魔する」(コメント)
今、コメントで出た通り、電子書籍の普及っていうのをまた邪魔するんだよな。結局、電子書籍やる時に、「この本を売ります」「いくらになります」「電子版でいくらになります」って価格が、日本はよその国に比べて電子書籍の価格が高かったりする。この問題点もやっぱり解決されないままになっちゃう。
ただ1つ言えるのは、1つの法律で違反だと決めたら、それを取り締まれるんじゃなくて、そこにニーズがある限りその産業は外国に逃げてしまう。損得の問題で考えるとこういうことになります。
【まとめ】
自炊代行が日本で違法でも、それが中国で実施されるかもしれない。そうなると、日本国内のビジネスチャンスが失われて、国益を損なう。損得で考えると損。
「自炊代行の控訴審判決」
【質問】
“自炊代行が著作権侵害しているとの二審判決が出ました。一言下さい”
【回答】
自炊代行って、スキャン代行のことだね。つまり、本をバサバサに切ってスキャンで読み込む、ってやつが敗訴したことなんだ。僕の個人的な立場から言うと、「そこまでして著作権守って何したいの? バカじゃねえ」っていう(笑)。
法律は守るべきで尊重すべきなんだけども、「良い法律か悪い法律か」って言うと、著作権絡みの法律は大体悪いわな、良くない。なぜ、良くないかと言うと、社会の進歩、文化の進歩、著作権で守るべきなのは、製作者の権利じゃなく文化なんだ。
明らかに著作権違反が、犯罪が文化の発展を邪魔してるんだったら、罰せなければいけないんだけども。ただ結果的に著作権法自体が文化を縛っちゃってるん だったら、著作権法を変えなきゃいけない。でも変えるというのは議員さんの仕事だったりするから、今のところこの番組では触れないようにするな。
自炊代行っていうのは何か。僕らが買ってる本あるわな。どんな本でもいいんだ。で、本を買った時に僕らには、どこまでの権利があるのか。まず私的複製の 権利がある。私的複製っていうのは、「この本が大好きだからすごく読みたい、でも読んでたらボロボロになるかも知れない。そうだ、コピー機でコピーとろ う」って言って、コピーをとると。これが私的複製。これは権利があって、認められてる。
じゃあ、これをスキャナでスキャンして自分のiPadとかで読めるようにしようと。これも全然OK。これも権利がある。 スキャンして本をバラバラにしてもいいし、その本をそのままでスキャナでとるのも、私的複製だから権利がある。
じゃあ、それを代行業者に頼む。だって自分で本をバラバラにして、スキャナで読むの大変じゃん? それを代行業者に頼むのはどうかと。これに関しては著作権違法であるというような判決が出ました。一審で有罪が出て、二審でもやっぱり有罪が出てしまった。
さあ、これはどう考えるか。さっきは僕の皮膚感覚で「そんなものろくな法律じゃねえや」って言ったんだ。ここから先はビジネスの話。今週号のコミックモーニングの『インベスターZ』でやってるような、「善悪ではなく損得で考えよう」って話でしてみるな。
損得で考えると、自炊代行を著作権違法としたのは、明らかに国益に反してるんだよな。自炊は1冊の1400円ぐらいの本を買って、さらにそれを手間かけ て本をバラバラにしてスキャナで読んで自分のiPadとかで読めるようにするわけ。つまり、1冊の本に1400円プラス何100円とか1000円ぐらいの コストをかけてくれる人なわけだよな。そういう人のかけてくれるお金とかを外国に持ってっちゃうことになるんだよ。これ日本では著作権法違反の判例が出 ちゃったんだけども、簡単なことで、こんなものは中国でやればいいだけ。
中国にいっぱいスキャナ用意して、日本の本を置いておく。日本で本買うよね。それを中国に送るってもいいし、Amazonでクリックした瞬間にAmazonの輸送先に中国の自炊業者を選択したら、中国で自炊してそのデータだけ日本の本人に転送してると。
これは完全に私的複製の範囲内だし、その自炊代行という部分が有罪かどうか、となると中国の法律に乗っちゃうことになっちゃう。それだったら中国で大きいビジネスチャンスができてしまって、日本のビジネスチャンスを失う、ってことだけなんだよね。
日本の法律のやってる人たちは、「自炊代行というグレーなものが違法になったら取り締まれる」と思ってるんだけども、そうじゃない。こんなデータのやり取りなんか、どの国だって関係ないんだから。
で、この本だったら自炊1冊、1000円とか2000円出す人が年間どれぐらいいるのか。年間100万人いたら、それだけで10億円の産業なわけだよ。 その10億円の産業っていうのを日本の国の会社に落とさずに、自炊代行を一生懸命やって、自分達の本の複製をやらせてる人に行かずに、中国のスキャナで バーっと読む業者にやらせてる。これって損得で考えたら、明らかに損な判例だと思うんだよね。
で、自炊代行を禁止したからといって、自炊を止める方法はない。もしそうなんだったら、著作権の大元である私的複製まで禁止すべきなんだよな。でも、ベルヌ条約でも概念に反してるか、出来るはずがないんだよ。ということは、私的複製を認めた瞬間にどのような手段でもOK。例えば「私的複製の代行がダメ だ」と言われたら、「じゃあうちは機械だけ用意しますよ」「あなたが来てバイトをその場で自分で雇ってください」「自分で雇って自分でやらせてください」 になっちゃったら、またこれがグレーゾーンになるし。
「電子書籍の普及を邪魔する」(コメント)
今、コメントで出た通り、電子書籍の普及っていうのをまた邪魔するんだよな。結局、電子書籍やる時に、「この本を売ります」「いくらになります」「電子版でいくらになります」って価格が、日本はよその国に比べて電子書籍の価格が高かったりする。この問題点もやっぱり解決されないままになっちゃう。
ただ1つ言えるのは、1つの法律で違反だと決めたら、それを取り締まれるんじゃなくて、そこにニーズがある限りその産業は外国に逃げてしまう。損得の問題で考えるとこういうことになります。
【まとめ】
自炊代行が日本で違法でも、それが中国で実施されるかもしれない。そうなると、日本国内のビジネスチャンスが失われて、国益を損なう。損得で考えると損。
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