ヒロキさん/29歳/独身の会社員/クラウド市民
「速読を身につけたい」
【質問】
“私は、速読を身につけたいと考えております。2冊ほど速読の本を読みました。大事なところだけを読むとか、2行一気に読む等、書いてありましたが、どれもイマイチ身についた気がしません。
岡田さんは1冊何分ぐらいで読まれますか? 効果的な速読術などありましたら、教えてください。”
【回答】
結論から言うと、僕はあらゆる速読術は信用してません。速読術というのものは、この世の中に無いんです。速読を薦めてる人はみんな、「恋がしたいんです!」という人に対して、ギャルゲーを薦めてくれてるんですよ。
で、「ギャルゲーも恋だ!」って言うわけですよ。
「ギャルゲーでも無いよりましだ!」「いや、ギャルゲーは恋を超えてる!」等、いろんな言い方がありますけども、僕はギャルゲーは恋じゃないと思います。その意味で、速読術と言うのは、この世の中に存在しません。
ただ、サッサと本を読む方法はいくらでもあります。それは、ヒロキさんが今やってるような事です。ちょいちょい読むとか、タイトルだけ読むとか“まえが き”と“あとがき”だけ読むという事をやれば、慣れれば慣れる程、本の内容が想像つくようになって、その想像がそんなにズレなくなるんですね。
だから、速読の1番効率がいい方法っていうのは、まず本を大量に読む事。で、その大量に読む事によって、大体、本のパターンが分かってくる。そうしたら表紙と裏側見て、編集者が考えた宣伝文句、帯を見て、目次をよーく見たら、大体どういう内容かわかってくる。
99%の本は、目次を読んだら大体充分です。でも、1%の本は油断ならない。だから本当に読まなきゃいけない。
速読は本当に読まなきゃいけない本と、読まなくても別に構わなかったり、押さえとけばいい本を、見分けるための作業です。その作業自体は、別に練習するようなものでもないです。
ただ、本をあらかじめ大量に読んでないと、いわゆる速読術で習うような、「2ページ見開きをすべて目に入れる」とか、あと「重要な部分だけを読む」とか、そういう事をやっても、本の内容に対する“推理力”が働かないんですね。
それはデータベースが自由になってないから。データベースを大量に持つ為に、まず、本を大量に読まなきゃいけない。その大量に本を読むのに速読を使ったら、何にも意味無いんですよ(笑)。なので、速読法っていうのは、僕はないと思います。
あるとしたら、本屋さんで立ち読みしかしないですね。
「本屋さんで、立ち読みしかしない!」と決心する。で、明日までにレポートを書かなきゃいけないつもりで、10冊の本を読んでみて下さい。そうしたら、速 読法というのが、大体どんなのか分かります。それは要点だけを読むとか、頭の中で覚えているうちにすぐにメモを取って、そのまま次の本を読み出すとか、そ ういう事で出来ます。
効果的な速読術というのがあるならば、日本で1番勉強しなきゃいけない大学入試を受ける人達がみんなやってるハズなんですよ。大学入試で誰も速読術やってるなんて、聞いた事ないでしょ?
つまり、速読術は“読んだ気”になれるんだけ、それが正確な知識になってるのか、あとで試験を受けたら、それに対して対応出来るのか。効果的なエフェク トが一切ないのが、これでお分かりだと思います。あまり夢は抱かずに、速読身につけたいと思うんならば、大量に本を読む事を頑張ってみて下さい。
【まとめ】
速読術は読んだ気になるだけです。大事なのは、読むべき本とそうでない本の見分けがつくことです。そのためにはデータベースが必要なので、速読術を身につけたいなら、大量に本を読むことから始めて下さい。
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