岡田斗司夫ゼミからのお知らせ

岡田斗司夫の毎日ブロマガ「メンタリストDaiGoのテレビ出ません宣言ウラ読み」

2019/10/10 07:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/10/10

 今日は、2019/09/22配信の岡田斗司夫ゼミ「【雑談スペシャル】“中国製のパチもんレゴ”を作ってみた、最後の『なつぞら』解説などなど」からハイライトをお届けします。



タオルくん:おっす、久しぶり! 俺、タオルくん。今日は雑談で、トシオがグダグダ話すそうだよ。よーし、トシオ、行ってみよう!


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【画像】タオルくん

 はい、どうも岡田斗司夫ゼミです。
 タオルくんの久しぶりの登場なので、声を忘れてしまいまして。アニメ版の『銀河鉄道の夜』のザネリの声で読んでみました。
 「らっこの上着がくるよ」と言う時のザネリなんですけど。もう、40代以上の人しかわからないネタですね(笑)。
 今日は雑談なので、ダラダラ話してみようと思います。なので、最初の話なんかレジュメなしです。

・・・

 「メンタリストDaiGoの民放出禁」ということがあって、これが面白かったんですね。
 カジサックの番組で、「テレビで勝手に編集されたことについて、『自分のニコ生で本当のことを話したら出禁にするよ? 赤坂を歩けないようにしてやるぞ! 』と脅されたので、『別に出禁でもいいですよ』と言ったら、本当にテレビ局に出禁になっちゃった」と話していたことが報道されていました。
 これの面白いのは、DaiGoが言ってるのは「テレビ屋さんの上から目線が嫌だ」ということなんです。
 そうなんですよね。テレビ屋さんってね、当たりはすごく腰が低いんですけど、すごい上から目線で、「最終的に編集してやるから」とか、「まあ、どう使うのかは、こちら側の料理次第だ」とか、なんかね、やっぱりそういう目線で見てるんですよね。
 こういう話が報道されると、「DaiGoは最近テレビに出れないから、悔し紛れにそんなことを言ってるんだ」と思う人もいるんですけど、そこは全く逆で。
 たぶん、DaiGoというのは、テレビに出てる有名人の中では、いわゆる音楽系のアーティスト、サザンとかそういうところを除けば、日本で一番稼いでいる芸能人だと思うんですよね。
 だから、「テレビに出る」ということが、もうすでに、なんかこう「貧乏くさくなってきた」というのかな?
 テレビに出る人って、雨上がり決死隊の今回の騒動でもわかる通り、世間のことをずーっと気にしなきゃいけなくて、何かあったら一瞬で干されて、自分で謝ることも出来ない状況に追われちゃうんですけども。
 YouTubeでもニコ生でも何でもいいんですけど、自分のメディアを持っている人というのは、昔でいうと作家みたいなもんですよ。昔の作家というのは、出版社から本が出ているから、自分の食い扶持というのは、自分で得ることが出来たんですよね。YouTubeとかニコ生というのは、それよりも遥かにすごくて。作家はまだ出版社に本を出してもらわなきゃダメなんですけど、「自分の意思で何を話しても大丈夫」っていうところあるじゃないですか。
 それで直に稼げるので、もう、DaiGoはテレビ局が全然怖くないというか、逆に、出てもメリットがないんです。
 この「メリットがない」というのはどういう意味かというと、DaiGoはYouTubeやニコ生で話してる時は、自分で自由に話せるんですよ。好きなことを話せるから、自分が話すことに責任が取れるということなんです。
 いわゆる宮崎駿の映画みたいなもんですね。
 ところが、もし、テレビ局が宮崎駿の映画を好きにカットしたらどうなるのか? 例えば、金曜ロードショーが「60分しか枠がないのに、『もののけ姫』って、何? 2時間以上あるの? じゃあ、うちで適当に60分に切ってオンエアするよ」なんて言ったら、宮崎駿は激怒して「もう金曜ロードショーで俺の作品を流すな!」って言うはずですよね?
 DaiGoが言ってるのはまさにそれなんですよ。「自分が喋ったことの中から、適当に使いやすい部分を切ったり貼ったりして、それで流されたら、とてもやっていけない」ということなんですね。
 「それだと俺の商品価値下がっちゃうじゃん」と。「テレビ局に編集されたことを本当に言ってると思われたら、DaiGoの商品価値が下がるから、テレビには出ない」っていう話なんですね。
 これ、僕みたいに、一応、両方に足を掛けてる人間にとっては、ものすごくわかりやすい話なんですけど。
 メディアを見るだけの人と言うのかな? テレビとかネットとかでしか情報を集めてなかったら、ちょっとそこら辺がわかりにくいんですよね。

・・・

 なんでその例として、宮崎駿を出したのかと言うと、昔、宮崎駿のアニメというのは、海外で売る時に勝手にカットされてたんですよね。
 『風の谷のナウシカ』のVHSパッケージなんて、まあ重要な部分が何箇所もカットされた挙げ句、全体を5%の早回しにされて発売されてたんですよ。
 それを知った宮崎駿は……「知った」というか、最初は知らなかったんですよ。宮崎駿自身は、海外で発売されたビデオパッケージというのを貰ってなかったから、知らなかったんですけど。

 昔、僕の知り合いにトーレン・スミスっていう外人がいて。日本のアニメとかマンガを、アメリカに紹介してたやつだったんですけど。
 そいつは、「俺は『風の谷のナウシカ』がすごく好きなのに、英語版の編集があまりにも酷い!」ということを、一生懸命、鈴木敏夫に説明してたんですよね。
 だけど、鈴木さんは、それを宮崎駿に聞かれると「もう海外に売るのはやめる!」と言われるので、ずーっと伏せてたんです。
 僕はそこら辺の事情を知らずに、アニメージュグランプリの時にたまたま呼ばれて行った時、会場にいた宮崎さんに挨拶したついでに「宮崎さん、海外版、酷いことになってますよ?」と、トーレン・スミスから聞いた話をそのまましたんです。
 そしたら、宮崎駿はその場で立ち上がって、鈴木敏夫に詰め寄って怒鳴りだして「俺はもう帰るっ!」っていう事件があって(笑)。
 俺、その後で、ものすごい鈴木さんに怒られたんですけれど。「言わんとすることはわかるが、場所をわきまえろ!」と言われて。いやあ、その通りだったんですけど。
 でも、当時の僕は、宮崎駿の性格を知らなかったから、まさか、あの場で怒鳴りだして帰るとは思わなかったんです(笑)。

 まあまあ、そういうことがあるので、クリエイターというのは、自分の発言がカットされたり、順番を変えられたりすると、全く意味が違ってくるということに、すごく敏感なんですね。
 たぶん、DaiGoも「メンタリストDaiGo」ということでテレビに出始めの時は、「俺はテレビに出ている人間で、小道具の一部みたいなもんだから、編集されて勝手に発言を使われるのもしょうがない」という諦めが絶対にあったと思うんですよ。
 ところが、YouTubeやニコ生で「自分の発言が全部そのまま掲載されて作品になる」という快感を知ってしまったので、快感というか作品性がわかってしまったので、もうたぶん、テレビに出ることがすごく難しくなっているだろうなと思います。
 だから、今、「テレビに出てる人」というのは、逆に言えば「テレビにしか出られない人」か、もしくは「そういうテレビの特性を知った上で、それでも自分にはメリットがあると思っている人」だと思うんです。
 そこら辺のギャップが面白かったのが、このメンタリストDaiGoの出禁事件ですね。

 レジュメがないから、ちょっとグダグダした説明になっちゃってごめんなさい。

 あと、次。つい昨日の『キングオブコント』の優勝からの話なんですけど。
 みんな大丈夫? こういうのを話すと「ネタバレ」って言われるんだけど。でも、もう『キングオブコント』の結果はニュースにもなってるから、いいよね?
 『キングオブコント』で、どぶろっくという、下ネタを歌う人たちが……もう本当にコントをやれるとは僕も思わなかったんですけど。それが優勝したんですね。
 やっぱり、ずーっと下ネタだけで勝負している芸人って、なんだかんだ言っても下に見られるわけなんですね。
 お笑いの中では、たぶん、漫才というのが中央にあるとしたら、コントって、それよりちょっと上のイメージがあって、その代わり、あんまりお客さんが入らない。でも熱狂的なファンがつく。それに対して下ネタの歌ネタとかリズムネタというのは、漫才師よりうんと下の地位にいる、みたいな感じなんですけど。
 ところが、そのどぶろっくが、そんな歌ネタで、しかも、いつもの下ネタの歌ネタのまんまをコント仕立てにして、『キングオブコント』で優勝するという夢のような事件が起きて。
 僕は、なんか、思わず目頭が熱くなってしまって。「『なつぞら』でも泣かなかった俺が、どぶろっくの優勝で泣いてるわ」って思ったんですけど(笑)。
 まあ、どぶろっくの話はここまでなんですけど。
 『キングオブコント』の中で、優勝は出来なかったんですけど、ゾフィーというコンビがいて、腹話術師のネタをやってたんですよ。
 これ、メチャメチャ面白いので、皆さん、『キングオブコント』をYouTubeとかで探す時は、ぜひゾフィーの腹話術ネタを見てください。
 あの腹話術ネタを見たらね、もう、俺がやってるタオルくんとかが、もう……なんか今日、恥ずかしくてやりにくかったんですよ。ゾフィーの腹話術ネタの完成度があまりにも高過ぎて。人形がこっちを向く時の目線とかそういうのだけで1つの世界を作っているのがすごくて。
 俺、「うわっ! こっ恥ずかしい!」と思いながら、今日のやつをやったわけです。

 というわけで、レジュメなしの雑談はこんなもんです。
 じゃあ、行きましょうか。


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