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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「なつぞら完全解説:宮崎駿とまゆゆダンスの理由〜二次元の演技とは?」

2019/08/19 07:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/08/19

 今日は、2019/08/04配信の岡田斗司夫ゼミ「『なつぞら』特集と、『天気の子』『トイストーリー4』ネタバレ解説、ちょっと怖い“禁断の科学”の話」からハイライトをお届けします。


 ということで、じゃあ、行きましょうか。『なつぞら』ですね。
 先週の『なつぞら』は、本当にいろんなことがあったので、月曜から順番に語って行きます。

 7月29日の月曜日の『なつぞら』は、月日が経って、いきなり昭和39年。1964年の正月です。
 主人公のなつも上京8年目で、もう、ドラマの中で5年も経ってるんですけど。なつが勤めている東洋動画の新年会で、社長から引退宣言が出ます。
 東洋動画の社長が「今日、私は社長を辞めます!」と言い出して、みんな「おおっ!」と言ったんですけど。蓋を開けてみれば「そのまま会長に上がります」という、どうでもいい宣言だったんですけども。
 この中で、会長は「子供の頃から私が好きなのはそろばんでした。映画とかを見る人間ではなくて」と話したんです。それを聞いて、まあ、ドラマの中の人物たちは笑っていたんですけど、これは伏線なんですね。
 「そろばんが好きだった」というのは「以後、この会社のアニメスタジオは、ものすごい合理化が行われる」という意味なんですね。その伏線になってます。
 会長は「私はもともと鉄道マンとして入った。良い鉄道マンとは何かというと、そろばんのできる鉄道マンだ」という話をするんです。
 そろばんのできる鉄道マンとは何かというと、路線の終点に娯楽施設を置く。例えば、遊園地とか動物園とか野球場のような。今では、西武も京急も、どこでもごく普通にやっているようなことなんですけども。「これを最初に始めた」と、まあ、そういうふうなことを語るんです。
 僕らの多くも、やっぱり今、そういう街に住んでるわけですね。なんとなく私鉄の沿線があって、その終点には大きい野球場があったり、テーマパークがあったりする。それに引き寄せられて住んでるという、まあいわゆる「郊外型の暮らし」ですか。
 昔の日本というのは「田舎にダーッと人が住んでいて、それとは別に都心部にも人が集まって住んでいる」という、すごく簡単な構造だったんです。それが、私鉄が始めた「郊外と都心を電車で繋いで、その結果、人を毎日、通勤列車に乗せよう」という運動によって変わっていった。日本という国が発展して行ったわけです。
 これが7月29日の月曜日の内容です。

 続く7月30日の火曜日は、まさかの宮崎駿がフラれ、まゆゆは大塚康生と結婚するという発表があって、僕もう、ひっくり返りました。
(パネルを見せる)

nico_190804_00722.jpg【画像】大塚康生結婚 ©NHK

 「歴史上では、まゆゆが演じている大田朱美は宮崎駿と結婚するはずだったのに! なんで大塚康生と!? これでは歴史にズレが!」と思ったんですけど。まあ、これはドラマですから、別に歴史でもなんでもないんですけどね。
 なんで、こんなことが起こるのかというと、「以後のドラマ内での、まゆゆ、大田朱美の出番をなくしたくないから」なんですね。
 というのも、宮崎駿と結婚した後の大田朱美は、宮崎家で専業主婦になるため、アニメーターを辞めざるをえなかったんですね。ドラマでも歴史通りに描くとすると、まゆゆの出番がなくなっちゃうので、まあ、ちょっとそこは「これはドラマですから」ということで、スタジオにも居残ることになりました。
 この後、フラレて悔しがる宮崎駿とまゆゆがダンスするシーンがあって。
 そこでは「メガネを外すと一気に美少女になる」という、お約束もあって、ちょっと可笑しかったんですけども。
(パネルを見せる)

nico_190804_00841.jpg【画像】宮崎駿ダンス ©NHK

 これは、ちょっとアップでいいシーンなかったんですけど、「悔しがる宮崎駿とまゆゆがダンスしている」というシーンですね。
 このダンスシーンが何のためにあるのかと言うと、もちろん、この後で『太陽の王子ホルス』を作ることになるので「その中でのルサンとピリアという2人の若者が結婚して踊るシーンの参考資料にするため」というのもあるんですけど。
 これは、『ハイジ』のオープニングの、ペーターとハイジの踊りの伏線なんですね。

 『アルプスの少女ハイジ』のオープニングには「ペーターとハイジが、手に手をとって踊る」というシーンがあるんですね。
(パネルを見せる)

nico_190804_00905.jpg【画像】ハイジのダンス ©サンクリエート

 これ、実際の歴史でも、当時のアニメーターは誰も踊り方がわからなかったんですよね。
 その結果、どうなったのかというと、小田部さんという、今回の『なつぞら』のアニメ監修をしているオッサンと、宮崎駿という、これまたオッサンの2人が、手を繋いで、本当にこのまんま踊ったそうなんですね。「それを横から8ミリカメラで撮影して、なんとか作画した」と。
 とりあえず、その場にいるアニメーターの誰一人も踊れなかったので、しょうがないから、宮崎駿と小田部さんが手を繋いで、これと全く同じダンスを楽しそうに踊って。それを、森康二さん、ドラマの中でいう仲さんがスケッチして、なんとかダンスシーンを作ったという歴史上の事実があるんですけど。
 たぶん、僕の読みでは、このまま『アルプスの少女ハイジ』まで、このドラマは行くはずなので、おそらく「高畑勲と宮崎駿がダンスをして、大塚康生がスケッチをする」というシーンが見れるはずだと、僕は思っています。今から楽しみですね(笑)。
 これが、7月30日火曜日の出来事です。
 その日の放送で、ドラマは昭和40年、1965年の春になり、大塚康生は長編の作画監督に抜擢されました。
 作画監督になると「演出家は誰で行く?」って聞かれるんですけど。これが、この当時のアニメの作り方だったんですよ。
 「アニメというのは絵描きが作るものであって、演出というのは単にお話を繋ぐための補助に過ぎない」と考えられていた。だから、脚本を書いたりする時とか、全体の流れを作る時に出て来るだけで、実は「作画監督が全てをコントロールする」という考え方だったんですよ。
 ところが、ここで大塚康生は「演出は高畑勲さんです。そうでないと僕はやりません」と言うんですね。
 この辺の『なつぞら』は、歴史通りです。


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