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今回は、ニコ生ゼミ6月16日分(#286)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【『攻殻機動隊』第2話解説 2 】 プロの戦争屋だからこその“戦わずしての降参”という選択」
トグサ君が排水路にいると敵にバレた原因は、実は自分のミスなんですよ。
このエピソードの最後にも描かれている通り、後でトグサ君は反省を強いられるんですけども。
トグサが子供にプログラムを仕込んだ時、マンホールからそーっと出て、そーっと帰ったんですけども。
その時に、もう少し慎重に、周りの草を巻き込まないようにしていれば、警備員は気付かなかったんですね。
「全員撤退! トグサすぐに脱出しろ!」と言われたのが、自分のミスが原因だと思ってない。
「チーム内の自分以外のメンバーに裏切り者がいるのか? それとも、これは、自分たちを公安に引き入れるための、サルと呼ばれる公安部長のワナか?」というふうに他人を疑ってます。
このトグサ君というのは、かつては刑事だった。
それも、たぶん、それなりに敏腕刑事だったんですね。
そんな自分が引き抜かれたんだから、自分では出来るつもりになってるんですよ。
でも、それ故に、こういう勝手な判断しちゃうわけですね。
ようやっと草薙とバトーの2人のフチコマが排水路から出てきて、これから助けに行ける体制になりました。
「この先の排水口で音がしたぜ」と、警備員のグループが、さっきトグサが排水口の出口にぶつかった音を聞いて、走ってきます。
フチコマというのは、こういうことも出来るんですね。
足の先で枝を掴んで、サルみたいに木に登って、銃を構えます。
次のコマでは「ドカドカドカ」っと音がして、地面がえぐれる。
2人いるガードマンの内、1人は逃げて、もう1人はその場に突っ立ってます。
この2人のガードマンの反応。
1人目の坊主頭は、思わず突っ立ってしまった。
それに対して、ヒゲの方はちょっと戦争に慣れてるんですね。
素早く逃げて、「バカ、何を突っ立ってる!」と叫びます。
警備員(ヒゲ):何、寝ボケてやがる!
――――――
警備員のすぐ横に当たった爆発がやや小さいから、これが最後だとわかるんですね。
これは「5発の弾を撃ったが、あえて最後の1発は外した」というデモンストレーションなんです。
つまり「お前を殺そうと思えば簡単に出来るけど、今はあえて外したよ?」と。
そんなものを目の前で見せられたので、この坊主頭は、ビビったというよりは、プロとしての判断で、降参します。
彼らは全員、プロなんですよ。
「プロとしては、どんな仕事もやるべき」ではなくて、「ここから先は、もう自分の仕事の範囲外」というのを考えるものなんです。
なので「何、寝ボケてやがる!」と、つい言ってしまう。
坊主頭の方は、軍人としてのスキルは低いんですよ。
突っ立っちゃったから。
でも、その代り、プロとしての判断力は、ヒゲの人よりは高いんですね。
警備員(ヒゲ):ちッ、戦争ボケかよ! 俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!
イシカワ:じゃあ、死にな。
――――――
しかし、次のコマでは「はッ」ということで、最初にハッキングに気付いた警備員が目の前に現れます。
しかし、ヒゲの方はヒゲの方で、なまじ、弾を避ける程度のスキルがあるばかりに、判断を間違えちゃうんですね。
「俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!」ということで、「まだやめない」と言った瞬間に、既に狙いを付けていたイシカワのフチコマに撃たれてしまう。
これ、もう、絶対に死ぬような殺し方ですね。
頭を狙って、胸を狙って、腰を狙う。
腰は人間の身体で一番動きにくいところですから、まず狙う。
次に心臓を止めて、頭を撃ち抜く。
まあ、本当は頭に当てるのが一番いいんですけど、ここを狙ったら外すかもしれないから、まず腰を撃って動きを止めて、胸を撃って命を絶って、最後に脳を殺して、情報戦を動かそうとするのを止めてるわけですね。
そんな男に対して、まあ、イシカワが、ちょっとプロとしての軽蔑をしているところに、警備員の中でも一番出来る男が、背後から忍び寄って来たわけです。
ここでイシカワが「はッ」といったのは、一番出来る警備員が近付いてくるサインに気が付いたからですね。
腕の先端部分だけが、先にイシカワの背後にあった木の枝を掴んでいる。
たぶん、この警備員の左腕は、ビューンとワイヤーのように伸びるんでしょうね。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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