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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『攻殻機動隊』第2話解説 2 】 プロの戦争屋だからこその “戦わずしての降参” という選択」

2019/06/27 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/06/27
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今回は、ニコ生ゼミ6月16日分(#286)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【『攻殻機動隊』第2話解説 2 】 プロの戦争屋だからこその“戦わずしての降参”という選択

 
 では、次のページです。

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 敵のガードマンが、「変だ……。ゴーストが焼ける時の抵抗感がなかった……。俺が焼いたのは “人工知能” (AI)か!? 敵は遊び半分のハッカーじゃない。プロだ!」ということで、双方、敵がプロだということが分かりました。

 次のコマは、逃げている最中のトグサ君が描かれます。

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 「なんで排水路だとわかったんだよ!? “情報漏れ”(リーク)か? やっぱりワナか!?」と言っていますね。

 しかし、排水路の出口が、大きい金属製のロックで「ゴゴッ」と塞がれていき、トグサ君の乗っているフチコマというロボットは、ガーンとそれにぶつかって壊れてしまいます。

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 それに対して、「おい、どうした、トグサ、ト、いてて……。くそォ、肝心な時にこの不良聴覚素子め!」と、草薙素子が言います。

 トグサの声を聞こうとしているのに、冒頭にも出てきた聴覚素子の不良のために、よく聴こえない、と。

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 このページで見るべきは、このトグサ君の判断ですね。

 トグサ君が排水路にいると敵にバレた原因は、実は自分のミスなんですよ。

 このエピソードの最後にも描かれている通り、後でトグサ君は反省を強いられるんですけども。

 トグサが子供にプログラムを仕込んだ時、マンホールからそーっと出て、そーっと帰ったんですけども。

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 その時に、もう少し慎重に、周りの草を巻き込まないようにしていれば、警備員は気付かなかったんですね。

 そして、ここで気付かれなければ、同業プロの警備員に、子供の首から遡って逆侵入されて、チーム全体を危機に陥れることもなかったんですよ。

 でも、この時点でのトグサは、自分がそんなミスをしたとは全く気がついてない。

 「全員撤退! トグサすぐに脱出しろ!」と言われたのが、自分のミスが原因だと思ってない。

 自分がマンホールの蓋を閉める時にミスしたということをわかってないから、「なんで排水路だとわかったんだよ!?」と罵りながら、「情報漏れか? やっぱりワナか?」と言ってるんです。

 「チーム内の自分以外のメンバーに裏切り者がいるのか? それとも、これは、自分たちを公安に引き入れるための、サルと呼ばれる公安部長のワナか?」というふうに他人を疑ってます。


 ちなみに「そんなトグサ君が徐々に徐々に成長する」というのも、『攻殻機動隊』の漫画版全体での裏テーマになっています。

 このトグサ君というのは、かつては刑事だった。

 それも、たぶん、それなりに敏腕刑事だったんですね。

 そんな自分が引き抜かれたんだから、自分では出来るつもりになってるんですよ。

 でも、それ故に、こういう勝手な判断しちゃうわけですね。


 で、排水路にロックをかけられて、ガーンと壊れる。

 草薙素子がトグサから話を聞こうとしても、聴覚素子の不良で役に立たない。

 ようやっと草薙とバトーの2人のフチコマが排水路から出てきて、これから助けに行ける体制になりました。

・・・

 次のページに行きます。

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 「この先の排水口で音がしたぜ」と、警備員のグループが、さっきトグサが排水口の出口にぶつかった音を聞いて、走ってきます。

 その様子を木の上からフチコマというロボットが見ています。

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 フチコマというのは、こういうことも出来るんですね。

 足の先で枝を掴んで、サルみたいに木に登って、銃を構えます。

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 次のコマでは「ドカドカドカ」っと音がして、地面がえぐれる。

 2人いるガードマンの内、1人は逃げて、もう1人はその場に突っ立ってます。

 この2人のガードマンの反応。

 1人目の坊主頭は、思わず突っ立ってしまった。

 それに対して、ヒゲの方はちょっと戦争に慣れてるんですね。

 素早く逃げて、「バカ、何を突っ立ってる!」と叫びます。

――――――

 警備員(坊主頭):オ、俺はもう行けねえ。あとを頼む。

 警備員(ヒゲ):何、寝ボケてやがる!

――――――

 はい、なぜ、坊主頭がこんなセリフを言うようになったのかというと、これはもう皆さんもおわかりの通りです。

 「ドカドカドカ」と描いてるんだけど、地面に弾が当たった順番は、下から上なんです。

 警備員のすぐ横に当たった爆発がやや小さいから、これが最後だとわかるんですね。


 これは「5発の弾を撃ったが、あえて最後の1発は外した」というデモンストレーションなんです。

 つまり「お前を殺そうと思えば簡単に出来るけど、今はあえて外したよ?」と。

 そんなものを目の前で見せられたので、この坊主頭は、ビビったというよりは、プロとしての判断で、降参します。

 彼らは全員、プロなんですよ。

 「プロとしては、どんな仕事もやるべき」ではなくて、「ここから先は、もう自分の仕事の範囲外」というのを考えるものなんです。


 対して、もう1人のヒゲは、素早く逃げられるだけ、軍人としての能力が、坊主頭よりも高いんですね。

 なので「何、寝ボケてやがる!」と、つい言ってしまう。


 坊主頭の方は、軍人としてのスキルは低いんですよ。

 突っ立っちゃったから。

 でも、その代り、プロとしての判断力は、ヒゲの人よりは高いんですね。

・・・

 それがわかるのが次のページです。

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――――――

 警備員(坊主頭):これは命を粗末にするなってメッセージだ。大戦はもう終わったんだ……。これ以上、殺すのはイヤだ……!

 警備員(ヒゲ):ちッ、戦争ボケかよ! 俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!

 イシカワ:じゃあ、死にな。

――――――

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 ということで、ヒゲの男は、次の瞬間に殺されます。

 ヒゲの警備員が倒れたことを確認した、草薙素子の部下であるイシカワという男が「フン」と言う。

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 しかし、次のコマでは「はッ」ということで、最初にハッキングに気付いた警備員が目の前に現れます。


 この、坊主頭のガードマンは、イシカワからの「それ以上、前進したら殺し合いになるぞ?」という警告を受け入れます。

 「俺はガードマンとして雇われたんであって、最悪、殺しもあるかもわからないけど、お互い、命の取り合いなんかしてもしょうがないじゃないか。お互い、戦争で生き残ったプロの傭兵同士が戦っても意味がない」ということで、さっさと撤退することを決めます。

 しかし、ヒゲの方はヒゲの方で、なまじ、弾を避ける程度のスキルがあるばかりに、判断を間違えちゃうんですね。


 「俺はそんな腰抜けじゃねーぜ!」ということで、「まだやめない」と言った瞬間に、既に狙いを付けていたイシカワのフチコマに撃たれてしまう。

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 これ、もう、絶対に死ぬような殺し方ですね。

 頭を狙って、胸を狙って、腰を狙う。

 腰は人間の身体で一番動きにくいところですから、まず狙う。

 次に心臓を止めて、頭を撃ち抜く。

 まあ、本当は頭に当てるのが一番いいんですけど、ここを狙ったら外すかもしれないから、まず腰を撃って動きを止めて、胸を撃って命を絶って、最後に脳を殺して、情報戦を動かそうとするのを止めてるわけですね。


 で、ヒゲの男の方は、判断を誤った結果、この瞬間に死んでしまった。

 そんな男に対して、まあ、イシカワが、ちょっとプロとしての軽蔑をしているところに、警備員の中でも一番出来る男が、背後から忍び寄って来たわけです。

 ここでイシカワが「はッ」といったのは、一番出来る警備員が近付いてくるサインに気が付いたからですね。


 腕の先端部分だけが、先にイシカワの背後にあった木の枝を掴んでいる。

 たぶん、この警備員の左腕は、ビューンとワイヤーのように伸びるんでしょうね。


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