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「【『王立宇宙軍』で作ろうとした“完璧な異世界” 3 】 文字の設定は全体の数百分の1に過ぎない」
王立の世界の文字を、更にデジタル機器が再現するためにドットに起こされた文字です。
ロケット発射直前の風景として “ニキシー管” という真空管の中に細いネオンが入っていて、これの一部が光ったりすることで数字を表すデジタル機器を見たことがある人もいるでしょう。
こういう部分に使いました。
だけど、実はこの文字についての話って、『王立』を作る時に考えた設定全体から見れば、本当に何百分の1なんですよね。
たとえば、このシーンですね。
こんな景色の中を主人公のシロツグが走っていくという、ちょっと美しいシーンでもあるんですけど。
なぜ、こんなシーンが出来たのか?
こういう設定はいかにして作られたのか?
たぶん、このカットを見た人は、一発で「ああ、これは現実とは違う世界なんだ」とわかるくらいの力があるんですけども。
こういうものは、どうやって作られたのかという話をします。
ここ、本当に綺麗に、弾が当たったところだけ翼にバババっと穴が開いて、左の翼がバチンと切れて墜落するシーンです。
このシーンを描いた庵野秀明と、後で「いやあ、しまったなあ」とか「でも、たぶん、誰も気が付かないから、このままでいきましょうよ。これをリテイクしてたらキリがない」と言い合ったようなシーンなんです。
『オネアミスの翼』という作品自体が持っているテーマというのも、絵を見せながら話さないと、なかなか説明しにくいところがあるんですけど、やってみようと思います。
むしろ、前から言ってる通り「テーマなんて映画を見たら誰にでもわかるだろう」というつもりで作っているんです。
宮崎駿も高畑勲も、そう思って作ってるんですよ。
でも、僕、3日くらい前に、深夜1人で『王立宇宙軍』を見た時に思ったんですよ。
「なんで当時の俺は、これを “誰でも見たらわかる” と思ってOKを出したんだ!?」と(笑)。
「俺も山賀も馬鹿なんじゃねえか!?」なんて思いながら…
…でも、まあ、最後まで見たら「いや、これ、よく最後まで作ったなあ」と、自分を褒めることで、ようやっと心が落ち着いたんですけど。だけど、見てる最中は、本当に「こんなもん、伝わるはずないよ!」って思ってたんですよね。
バンダイの山下社長と話した時も「これで絶対に伝わります!」と力説したんですけど。
「あの時の俺って、絶対に無理してたよな」と。
心のどこかで「うん、これは伝わらないかもしれない」と思いながら作ってたよな、と(笑)。
まあ、そういう話もあるんですよね。
そんな話も、ほんのちょっとだけします。
あくまでも「ほんのちょっとだけ」ですよ。
もう本当に、こんなもん全部やってたら、僕は死んでしまいますから(笑)。
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