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「【『王立宇宙軍』で作ろうとした“完璧な異世界” 2 】 起源まで遡って考えることで生まれる歴史の厚み」
現実の歴史でも、自分たちを先進的で合理的だと思っていたフランスがナポレオンの時代から十進法を採用したのに対して、自分たちを保守的で歴史的であると思っていたイギリス人は、かなり長い間、十二進法に拘っていました。
ポンドとペンスの関係が十進法になったのは、僕が中学か高校くらいの時期でした。
それまでは、結構、いろんなことを十二進法でやっていて、すごくややこしかったんです。
なので、イギリスのように歴史に拘る国というのは、いまだに十二進法を採用しているんじゃないかと思って、十二進法の数字を作ったりします。
さっき紹介した『リゼロ』にしても、他所のファンタジー系作品でも大体やってる、いわゆる異世界モノを作る際の普通のやり方なんですね。
さっき「『王立』では “完璧な異世界” を作ろうとした」と言いました。
では、完璧な異世界というのは、これら普通のやり方と何が違うのかというと、ここにさらに “時間の厚み” というのを足したんです。
たとえば、「三匹のサンショウウオ」とか、もしくは「彗星」とか、こういうマークまで考えたんです。
この他に「神殿を作る場所を教えてくれた蟹」みたいなものもあります。
「このような、言い伝えや伝承に由来する紋章が、それぞれの文字の原型になっている」と。こういった由来を、ほとんど全ての文字に対して考えたわけです。
こういうものを印刷しようとすると高くつくんですね。
なので、楽に活版印刷に載るように活字化されたんです。
『王立』に登場する異世界文字には、こうやって歴史性という厚みを加えています。
こういうやつです。
花押というのは中世貴族のサインみたいなものです。
王国側の戦闘機には腹側に花押が描いてあります。
だから、腹の側のみに識別の花押を書いてるんですね。
主人公のシロツグがいる王国というのは、そうではなくて、あくまで2番手3番手の国で、いわゆる19世紀のドイツみたいな国なんですね。
そして、この王国を襲っている共和国というのは、アメリカみたいな国だと思ってください。
そんな合理化に成功した共和国では、もちろん、貴族以外も戦闘機に乗るんですよ。
国が支給してくれた戦闘機という意味です。
「まあ、成績優秀だからパイロットになれたんだけど、お前らには尾翼に描くようなエンブレムはないから、国や部隊の共通のマークを描いておけ」というふうに言われてるんですね。
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コメント
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前略 岡田さま
いつも楽しいゼミをありがとうございます^_^
文字形成に歴史味を与える件につきまして
東洋の表意文字と西洋の表音文字とを合体させたような感じがしました。
早々
これからも楽しみにしております。
君が一番 より