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「【 ZOZOTOWN前澤氏の月旅行について 2 】 たぶん1人100億円も掛からない」
「ロケットの搭乗料金は1人100億円も掛からない」という話です。
本当だったら、ここまでで45分だから、そろそろ無料放送は終了で、限定放送の方に行かないといけないんですけど。
ちょっとこの3番目の話だけでも話しておきましょうか。
国際宇宙ステーションに宇宙飛行士が行く場合、最近ではロシアの “ソユーズ” に乗ることになるんです。
だから、今ではNASAの宇宙飛行士も全部、ロシアからソユーズの搭乗権を買っているんです。
で、その搭乗権が、1席あたり84~92億円と言われているんですけど、これが「1人100億円」の根拠になっているんですね。
「ここから推測すると、宇宙ステーションまでも84億円なんだから、最低でも1人100億円くらいだろう」と、いろんな人が予測しています。
もともとは70億円だったものが、今は100億円以上に上がっているんです。
ロシアが宣伝している値段はもっと安いんですよ。
「1人40~50億円くらいです」って言ってるんですけども。
でも、実際に申し込むと、その40~50億円と同額の訓練費とかいろんな費用が掛かると言われています。
いわゆる、成田の空港使用料のように、バイコヌールの発射台使用料みたいなものがどんどん上乗せされた結果、結局は1人100億円くらいになると言われているんですね。
これに関しては、ロシア以外にも選択肢があって、その価格でも競争が起こっています。
これは高いです。
ただし、安定性がすごく良い。
そんな信頼と安心のアリアンは、世界中のシェアの4割くらいを占めています。
次が、ロシアの “プロトンM” 。
これは、アリアンよりも信頼性がやや低いんですけど、その代り、半額の100億円で打ち上げられます。
アリアンとプロトンだけで全体のシェアの9割くらいを取ってるんじゃないのかな?
で、日本のH2Aロケットが、残りわずかのシェアを押さえています。
まあ、年間、1本か2本くらいの打ち上げしかないんですけど。
ロシアのプロトンの打ち上げ費用は100億なんですけど、日本のH2Aロケットもだいたい同じ100億円です。
信頼性はロシアと同じようなものかな?
最近では安定してきたんですけど。
でも、それに対して値段は3割引きという大安売りなんですね。
おまけに、ロシアのプロトンの打ち上げ費用は、年々、上がってきている。
なので、日本のH2Aロケットは狙い目だったんですよね。
おそらく、打ち上げコストを5億円くらいの、もっと小さくて軽い、本当に、100g、200g、300gくらいの小さい衛星を請け負って打ち上げるということをやろうとしているんだと思います。
あの時、当時のソ連から要求された金額は20億円でした。
まあ、結局は「訓練をする」とかなんとかいって、倍の40億円取られたそうなんですけど。
ところが、1990年の段階では40億円で済んだのが、2010年になると70億円。
今は100億円というふうに、基本的にソ連・ロシアの宇宙飛行費用というのは、「あそこしかやってないから」という理由で、どんどん上がってきちゃうんですね。
おまけに、ロシアのバイコヌールの維持費とか、ロケットの開発費とかも全部乗っけちゃうから、最終的に、人間1人が宇宙ステーションまで行くのが、100億円というバカ高い事になっているんだと思います。
つまりは地球からポーンとあげて戻ってくるだけ。
なので、実は、宇宙ステーションまで行くのと、そんなにコストは変わらないんですよね。
ぶっちゃけ、食料とか空気とか電気代くらいしか変わらない。
その8人乗りの宇宙船というのは、もともとイーロン・マスクが火星移住用のロケットとして開発しているものを流用してるだけなんです。
スペースX社は「人類の火星移住」という壮大な計画をぶち上げている。
その際に使用されるというのが、同社が開発中の大型ロケット「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」。
スペースX社は昨年、そのBFRに一般の旅行客を乗せ、1週間かけて月をグルっと回って地球に戻ってくる宇宙旅行計画を発表した。
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これまでの3人乗りのソユーズでは、宇宙飛行士2人に対して、お客さん1人だったんです。
でも、ロシアの月の周りをグルっと回って戻ってくるこのツアーは、実は宇宙ステーションに行くよりも簡単なんです。
宇宙ステーションに行く場合は「ステーションの近くで減速して、ドッキングして、機材を受け渡して、もう一度離脱して、地球に帰ってくる」という、すごく複雑なことをしなくちゃいけないから、パイロットが絶対に2人必要なんです。
だから、お客さんも1人しか乗れない。
ところが、月の周りを回るだけの弾道飛行だったら、乗りっぱなしでいいし、宇宙船の中での操作も必要ない。
なので、パイロット1人でお客さんを2人乗せられる。
でも、「2人だし、高いなあ」と言い出して、現在のスペースX社にしたそうです。
そういうところから考えても、僕は、スペースX社の料金は、ロシアのソユーズよりも、かなり安いと思います。
ロシアは「宇宙ステーションまで100億、月まで200億」と言っているんですけど、おそらくスペースX社は「宇宙ステーションまで25億、月まで50億」くらいだと、僕は読んでいます。
そんなふうに思ってしまうのは、ロシアの打ち出している数字から憶測している科学部記者の「出来るだけ大きな数字にした方が面白いだろう」という忖度した答えによる錯覚だと思います。
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