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「『すごい未来なんて来ない!』と悟った1970年の大阪万博」
本当に!
だってさ、パビリオンと言われる建物はカッコいいんだよ。
ハリボテの前に物凄い行列があってさ。
「動く歩道」っていっても、歩いたほうが早い。
そりゃ「動く歩道」っていうはずだよ。
「歩く歩道」でも「走る歩道」でもないんだよ。
動くだけだよ(笑)。
今、皆が考えてる、空港で人間を運んでるベルトコンベアがあるだろ?
あれの4分の1ぐらいの速さで、こう、ゆっくり移動するようなものだから(笑)。
暑いんだよね。
もうねぇ、今の中国人の観光客の悪口が一切言えないような、トンでもない環境に大阪万博があってさ。
「『人類の進歩と調和』って言っても、これは未来なんか来ないな」っていうふうに思ったんだ。
それまでずーっとSFとか読んで、サンダーバードも好きで、ウルトラマンとかも、ああいうのが大好きだった「未来」っていうのを信じ切ってた僕。
結局、子供の頃から「いや俺、皆と違うから」とか「あ、俺、大丈夫だよ」とか思ってたのは、「そのうち凄い未来が来たら、俺の心臓病なんか一発で治るし」とか、「いや、ぜんぜん運動なんか出来ないけども、未来の仕事はボタンを押すだけだよ」とか、「すべての部屋はエアコンが効いていて、都市はドームがあって」っていうふうに思い込んでたわけね。
だけど、そこまでは絶対に満員電車で揺られて、皆、ゾロゾロゾロゾロ行って、やりたくもない仕事をしてる。
ボタン押すだけの仕事っていうのも、とてつもなくつまらないボタンを押すだけの仕事をやっているに違いないっていうのが、小学校6年ぐらいの時にバシッって頭の中に入って来てさ。
そこから、僕の屈折がこう、人生の屈折が始まったんだけども(笑)。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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コメント
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メカや科学好きの岡田さんのこういう細かい当時の体感に基づいた記憶やそこからの考え方が面白かった。