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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/09/07
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今回は、ニコ生ゼミ8月26日(#245)から、ハイライトをお届けいたします。

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 手塚治虫と宮崎駿と鈴木敏夫、3人のBL本を希望です

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「宮崎駿、鈴木敏夫、手塚治虫の三人はBL関係だったのか?」という都市伝説の話をします。

 まぁ、これは僕だけが言ってる都市伝説なんですけどね(笑)。


 この話に登場するのは鈴木敏夫さんです。

・・・

 『レッドタートル ある島の物語』っていう何年か前にフランス人が作ったジブリの作品なんですけども。


 もう本当に僕は『レッドタートル』に関して愛が無いですね。

 「フランス人が作った」としか言ってない(笑)。

 監督名とか、そんなレベルじゃないんですよ。

 「何か俺は見てないけど」ってやつ。


 まぁ、そのうちやるかも分かんないんですけども。

 今の所、見ても無いので、いい作品かどうかも分からないんですよ。

 何となく高畑・宮崎が作ったエゲつなく面白いものに比べて薄いだろうと思って、見てないだけなんですけども。


 その『レッドタートル』の試写会で、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが上演前に講演を行い、宮崎駿監督とのエピソードを次々と暴露して会場をわかせた。

 そんな記事があります。


 「その中で、現在は小金井にあるスタジオが、なぜ小金井に設立されることになったのか? 鈴木さんは、宮崎駿との物件探しの思い出を語った」と言う記事を見つけたんですけどもですね。
 
・・・

 スタジオジブリは、元々は三鷹にありました。

 それで三鷹の前は吉祥寺にあったんですね。


 吉祥寺の、武蔵野文庫っていう喫茶店があるんですけども、東急デパートの裏側です。

 東急デパートの筋を二つ裏に行ったところに武蔵野文庫っていう、これは僕もときどき行く、まぁいい雰囲気の喫茶店があるんですけども。

 そこの二階が、たぶん今はパーマ屋さん、ヘアカットスタジオに なってると思うんですけども。

 そこに最初のスタジオジブリが出来ました。


 そこのスタジオジブリが『となりのトトロ』のときに手狭になったので、武蔵野文庫って喫茶店の二階は『火垂るの墓』のスタジオになって。

 それで、大体そこから100メートルぐらい離れた、一階が雑貨屋さんのビルの二階に『となりのトトロ』のスタジオの、第二ジブリが出来上がりました。

 その後、引越しを繰り返して、現在の小金井のスタジオに移るんですけども。


 その小金井に移った理由です。


 スタジオジブリが、物件を、どこかに間借りをしてやっているわけにはいかないと。

 どんどん広い場所が必要になってきたので、ビルを建てようって事になったんですね。


 まぁまぁまぁ、おわかりの通り、儲かりだしたからなんですけどもですね(笑)。


 で、鈴木さんの話です。

 「宮さん(宮崎駿さん)が、そこに僕を連れてきた」と。

 ジブリの近くのある建物の前に連れてきたと。


 で、その “ある家” を指差して、「ここ、初恋の人の家」って言うんですよ、と。

 で、「これは俺の初恋の人の家」って宮崎さんが言って、しかも、その初恋の人に宮崎さんは振られたと。

 告白したんだけども振られて、武蔵境の駅までトボトボ歩いて帰ったと。


 何年前の事か分かりませんが、歩いて帰ったと。


 で、宮崎さんは、もうその時は完全に “そのモード” に入ってしまってですね。

 「鈴木さん。 その武蔵境までの道を、二人で一緒に歩こう」って言ったんですね(笑)。


 鈴木敏夫は「ちょっと待てよ!」と。

 俺たちは物件を探しに来たのに、いきなり「これ、俺が昔 好きだった人の家」って言われて。

 「とぼとぼ歩いた」って事を言いながら「同じ道を一緒に歩こうよ」と言って先に歩き出したんで、「こんな事をやっている時間は無い!」と。

 「バカな事を言うんじゃないよ!」って思ったんですけどもですね。

 もう本人は、すでに “あの日” に帰って、思い出に浸っているんですって(笑)。


 もう思い出に浸って歩いているから、どうしようも無くってですね。

 で、たまたま思い出に浸って宮崎さんが歩いている所を鈴木さんが見たら、空き地があったんですね。

 それで空き地があったんで「あ、じゃあココにしよう」と思って、その場で不動産屋に電話をして聞いたら「空いてる」って事で、そこを買って今のスタジオジブリが出来たと。

 つまり、そういう話なんですけども。

・・・

 「宮崎駿の初恋が、ジブリの移転先に大きく影響を及ぼしたことが明かされた」というふうに書いてあるんですけども。

 宮崎駿の恋愛感って、独特なんですね。


 2013年に『世界一受けたい授業』に鈴木敏夫が出たときに、「ジブリ作品のヒロインは、宮崎駿の好みの女性ですか?」ってタレントさんが聞いたんです。

 そしたら鈴木敏夫は「当たり前ですよ! 決まってるじゃないですか!」というふうに即答してですね。

 宮崎駿の好みを「健気で一途」と、「自分の言う事を、何でも聞いてくれるのが大事」というふうに指摘して、「宮崎作品のヒロインは、男にとって都合のいい女性が多い」というふうに語ったんですね。


 このようにですね、基本的に鈴木敏夫って宮崎駿がやる事に関しては庇うんですね。

 支持するんですよ。


 ところがこの女性観とか、初恋の思い出とか、恋愛の事に関しては、実は いつも鈴木敏夫はキレ気味なんですね。

 言い捨てるように「宮崎さんは、○○なんですよ!」ってふうに、キレ気味で言うと。

 「あやしい」と、僕は思ってるんですよね(笑)。


 それで、この鈴木敏夫が『世界一受けたい授業』っていう凄く視聴率が高い番組で、宮崎駿の恥ずかしい部分を言って、「もしも宮崎駿に聞かれちゃったりしても大丈夫なのかな?」って思うんですけども。

 実は宮崎さんっていうのは、テレビを見ない人なんですね。

 ネットニュースも見ない。


 なので、バレないと。


 『天空の城ラピュタ』がテレビで放映されたときには “バルス祭り” っていうのが起こるじゃないですか。

 クライマックスで主人公の二人が「バルス」って言うときに、いっせいにツイッターに「バルス!」と書かれて、一回ツイッターが止まったとか。

 「今回はどうだ?」とか、「もう最近はバルスに飽きた」とか、いろんな事があるんですけども。


 あのバルス祭りに関して聞かれたときに、鈴木さんは「世界でただ一人、バルス祭りを知らない男がいる」と。

 それが誰かと言うと、「宮崎駿だ」と。


 「なんせ宮崎駿は、“ツイッター” というものの存在を知らない」と。

 それで、オマケに「俺は教えるつもりも無い」って言ってるんですね。

 
 何でしょうね、この「教えるつもりも無い」って時の鈴木敏夫。

 バカにしてるんじゃなくて。

 囲って自分の思い通りにするってほどでもないんでしょうけども、もう本当に「自分の中に抱えておこう」という、この考え。


 この辺を押井守は「宮崎さんは、鈴木さんによって生き地獄に落とされた」というふうにも言ってるんですけどね(笑)。

 何か、囲ってるんですよね。


 それで、この二人の関係って、僕は “ホモ” とか “セックス” か言うわけではなくて、実はかなり “エロス” な関係だなっていうふうに思ってるんですけども。

 でも、誰も鈴木敏夫と宮崎駿のBLって描いてくれないんですよね(笑)。


 ちなみに宮崎駿と手塚治虫の関係も、何かちょっとエロいんですよね。

 エロいっていうか、エロスを感じる。

 これもやっぱりホモとか、そういう意味では無いんですけども。

・・・

 『日本漫画協会』というのがあるんですけども、そこから電話があって「今年の漫画賞は宮崎さんの『風の谷のナウシカ』で行こうと思ってる」という話があったと。

 これは鈴木さんが電話を受けたそうなんですね。


 それで、後から漫画協会の委員長から手塚治虫先生の方へ連絡して、了解を得るだけだという状態になっていたと。

 「日本漫画協会の今年の大賞は、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』だ」って事で、“内示” っていうのかな。

 まぁまぁ、一応、内輪話というか、内諾を得るような話があって。


 「後はもう、手塚治虫先生の了解を得るだけだ」って事になったんですけども、ところが夜中に電話があって、それが引っくり返された。

 「手塚先生 一人が、反対をしている」と。


 「ナウシカは素晴らしいと思う。 しかし、まだ完結していない」

 「完結していないものに賞を与えるのは、どうしたものかな」って言ってるんですけども。

 実は、その日本漫画協会の大賞というのは、過去に連載中の作品にも、いくらでも与えてるんですね(笑)。


 手塚治虫も、その他の賞とかも、連載中の作品でなんぼでも取ってるわけですから、実はここで “与えない理由” がどこにも無いんですよ。

 そこを鈴木敏夫は指摘したんですけども、結局、手塚治虫の反対を覆せなかったと。


 それで宮崎駿が「なに言ってんだ! バヤカロウ!」って怒ったのかっていうと、宮崎駿は何か凄く納得したと。

 「やっと手塚治虫に認めてもらった」と。

 「俺の描いたものが、手塚治虫を嫉妬させた」と。


 手塚治虫が凄く嫉妬深いのは有名で、大友克洋が出てきた時にも、新人の大友克洋に面と向かって「君みたいな絵は、僕だって描こうと思ったら描ける」と言ったという話があるんですけども(笑)。


 吾妻 ひでお に対してもムキになる。

 いしかわじゅん に対してもムキになる。

 誰に関しても、どんな漫画家にもムキになって、対抗意識を燃やすのを忘れない。

 もちろん、それぞれの人に「手塚先生、ファンです!」って言われたら凄い喜ぶんですけども、でもだからといって自分の中の “嫉妬の炎” というのは、ぜんぜん治まらないんですね。


 で、そういう手塚治虫に嫉妬をさせたという事で、宮崎駿は、初めて手塚治虫に認められた感じがして、すごく納得していた。

 嬉しそうとは言わないんですけども。
 
 「ナウシカが賞を取れなかった」というのを鈴木さんに言われたときに、宮崎さんは凄く冷静に受け止めていたって言ってるんですよね。

・・・

 ただ、その宮崎駿も変なんですよ。

 宮崎駿は、漫画家としての手塚治虫は凄く尊敬してるんですね。


 でも「アニメ作家としての手塚治虫は、もう本当にスケジュールもデタラメだし内容もデタラメだから、あの人の作品は何一つ意味がありません」というふうに、手塚治虫が死んだときに言うような人だったんですよ。

 宮崎駿は。

 ただ、漫画家としての手塚治虫は、もう最後の最後まで尊敬していたと。


 それで、一番影響を受けた手塚治虫の実質的なデビュー作、単行本描き下ろしの『新宝島』って本があるんですけども。

 宮崎駿は、子供の頃にこれを読んで、凄い影響をされたと。

 だからもう神格化されてるんですね。

 で、もう手に入らないような本だったんですけども。


 ところが後年、平成になってから復刊されたと。

 『新宝島』の版が見つかって、出版されたんですね。


 それを鈴木敏夫が「宮崎さん、これ出ましたよ」って見せたら、宮崎さんは「俺に見せるな!」と。

 「俺に近づけるな!」って言うんですね。

 それは何でかっていうと、「自分の中で、もうすでに固まってしまっている最高の『新宝島』が崩れるから」というのが理由だったそうなんですけども。


 それぐらい『新宝島』っていうのを、漫画家としての手塚治虫っていうのを神格化していたんですね。

 「穢(けが)れる!」って言ったそうなんですけども。


 「自分の中の手塚治虫が穢れるから、見せないでくれ」って言ったんですけども。

 その宮崎駿と手塚治虫っていうのは、お互いにリスペクトし合うんですけども、嫉妬もし合って。

 神格化をしたかと思えば、ほんのちょっとでも気に入らない所があったら、本当にもうボロクソに言うような関係でもあったんですね。


 だから、手塚治虫と、宮崎駿と、鈴木敏夫の、この三人のBL関係を誰かが描いてくれたら、俺は絶対にニコ生ゼミで紹介するんでですね(笑)。

 もし誰かが描いたら、もしくは「すでに、そういうのがあるよ」というのがあれば、教えて頂ければありがたいと思います。

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