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「日本アニメの終わりの始まり? 『未来のミライ』と『エヴァンゲリオン』予告編」
いかがでしたか?
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/08/03
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今回は、ニコ生ゼミ7月22日(#240)から、ハイライトをお届けいたします。
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「日本アニメの終わりの始まり? 『未来のミライ』と『エヴァンゲリオン』予告編」
細田監督の最新作、『未来のミライ』を見てきたんですね。
で、その前にやっていた『エヴァンゲリオン』の予告編というやつも見てきました。
その話をしようと思います。
・・・
噂どおりですね、『未来のミライ』っていうのは、僕にとっては映画館で見ているときは面白くなかったんですね。
よく「育児を経験していない人が見ても、」とか「育児経験者が見ると面白い」とかって言うんですけども、そんな事は ぜんぜん無いんです。
僕は育児経験者ですから。
それでいうと、あまりにもエピソードとか表現が ありきたり というか凡庸でですね。
たとえば、その “赤ちゃんがえり”。
下の子が生まれると、上の子供が赤ちゃんっぽくなっちゃうとかですね。
あと育児雑誌で漫画連載しても、あんまり持たないような話ばっかりなんですね。
あの、父親の育児は実は役に立たないとかですね。
そういうのが、もう雑談レベルのヤツを見ててですね。
しかし作画はメチャクチャいいんですよ。
だからね、メッチャいい声の人が普通の事を話しているのを聞いてる感じっていうんですか(笑)。
だから、メッチャいい声だから聞けるんですけども、聞いても聞いても普通の話しかしてくれない っていうのが、まぁ見たときの感想だったんですね。
だから、すごいビックリしたんですよ。
細田アニメって、もうちょっと何かあるような感じがしてたんですけども、どこにも新しさとかカッコ良さが無かったんです。
ただ見てから半日ぐらいたって、「あぁ、こういう事か」と思って、ちょっとやりたい事が分かってきたような気がするんです。
その部分はネタバレになりますんで、ニコ生ゼミで確認してくださいね。
・・・
ニコ生ゼミではいろいろと話したんですけども、細田さんの作り方がですね、そこそこ難しい事をやろうとしているんですけども、エピソードが弱いんじゃないかなぁって思うんですね。
だから、こんな言い方は失礼ですけども、それをもうちょっと素直にというか。
何が元ネタで、実はどの作品に思い入れがあって、それに対して「俺だったら、こう作るんだ!」という事を言っちゃえば、もうちょっと良かったような気がするんですけどね。
で、「これは何か新しさも無ければ、面白さも無い」とさっき言ったんですけども、まったく同じ感想を新しい『エヴァンゲリオン』の予告編にも感じたんですよね。
これは予告編ですから大丈夫ですよね。
これまで『エヴァンゲリオン』だったら必ずあった「お、これは新しい!」とか「わ、コレはカッコイイ!」というのが、ぜんぜん無いんですよ。
「これが6年待ったエヴァなの?」という感じでですね(笑)。
で、この細田さんの『未来のミライ』と『エヴァンゲリオン』の予告編って、何か “終わりの始まり” って気がするんですね。
・・・
日本では相変わらず面白いアニメが作られているんですよ。
たとえば僕は前期からで言えば『ゲゲゲの鬼太郎』を見てますし。
あと『プラネット・ウィズ』を見てますし、『ハイスコアガール』も見てますし。
あと『中間管理職トネガワ』とか『はたらく細胞』とか『ハッピーシュガーライフ』などをついつい見ててですね(笑)。
『あそびあそばせ』とか『ちおちゃんの通学路』も一話を見て「ふんふん、なるほど」とかって言ってるという。
ま、この程度には面白いものは、そこそこあるんですよ。
だけど、そこそこあるんですけども、「果たしてそれが新しいものなのか?」っていうと、正直ちょっと限界を感じてるんですよね。
ちょうどオイルショックの前のアメリカ車を見てるような感じですか。
もうどのアメリカ車もデカくて、ラグジュアリー感バツグンで、パワーもあって、「パワーステアリングで」っていうのがあって。
ただ、どのメーカーの車も同じに見える。
もちろん新発売してるから、それぞれ売りがあるんですけども、同じに見えて。
それで、そこにオイルショックが来たおかげで、皆、いっせいに燃費のいい日本車の方へ行っちゃったんですよ。
「アメ車は大きくなきゃダメだ!」と思っていたのに、急に燃費のいい日本車の方へ行って、そっちの方へ目が行って。
その後、イッキに自動車産業は衰退して、自動車の町デトロイトなんてもう本当に衰退して犯罪都市になっちゃって。
その荒廃っぷりは、『ロボコップ』の舞台になって “無法都市デトロイト” って書かれてしまうぐらいヒドい事になっちゃったんですけども(笑)。
まぁ、その日本とアメリカの逆転って言うんですかね。
このアニメに関しては。
ピクサーとかディズニーのアニメが、一作品ごとに実験とか挑戦をしているのに。
『未来のミライ』とか『エヴァ』の予告編っていう、本来であれば最先端である劇場アニメっていうのが、保守的に見えてしまう。
もう日本がアニメの最先端だった時代っていうのは終わりつつある。
「“終わりの始まり” っていうのを見てしまったなぁ」という気がしました。
まぁ、これが『未来のミライ』と『エヴァンゲリオン』の予告編の感想であります。
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