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「【『映像研には出を出すな!』1巻を作者と一緒に徹底解説 3 】 この漫画を “熱く” 感じちゃうのは、僕もアニメを作っていたからなんです」
岡田:
これは “アニメーターっぽい絵” になるのかな?
大童:
みなさん、これアニメーターっぽい絵だと思いませんか?
いわゆるアニメーターが、こんな影とかを入れてデッサンしてるの、あんまり見たことがないから(笑)。
まあ、最近の流行りというのもあるとは思うんですけど。
アウトラインだけでシルエットをバーっと掴んで、服の皺の感じとかもカーっと簡単にとって、「簡略化した状態でどういう立ち姿に見えるか?」っていうのをパーって描く。
あとは、手とかを描く時も、なんというんでしょうかね?
やたらと捻った手を描きたがるというか。
あとは、安彦さんもよくやりますよね。
なんか、ジオン・ダイクンが死ぬ時も、変に指をくねらせて死ぬし(笑)。
なんか、こういうふうにして――
岡田:
「大童さんも一緒になって、安彦さんをディスってた」っていうふうに、後で話が流れてしまうから!(笑)
俺がそういうことを言ってる時は、「困った人だな」という顔をしてた方がいいですよ。
描くとしても、たぶん、誤魔化して描くでしょうしね。
ということで、水崎さんの絵を見せて貰って、自分にはないものを発見する浅草。
水崎に関しては本当にシルエットで、ノリが貼り付いたみたいな髪ですね。
ただ、髪の流れという点では、全てのキャラが束になっているんですけど。
こう、サラサラの流れる髪みたいなのは、まず僕が描けないというのがあるので。
女の子の髪の毛とか描くの。
あんまり好きではないですね。
この辺は髪の流れとかをちょっと描いてみようかなと思って描いた絵なんですけど。
でも、その下の人物画になると、もう束になっているし、この辺はもうハゲっていう。
岡田:
この漫画を読むだろう人の中で、最も詳しくない読者のラインに落とすということですね。
金森の水準まで落とすことによって、理解がしやすくなるというか。
「始めて自分が描いていたのが設定画だとわかってもらえた」 ということで、二人の力を合わせれば、アニメが出来ると思った。
最初の段階では。
悪いヤツだな、こいつ(笑)。
岡田:
だから、金森が主役に見えちゃうんです。
なんか、他のキャラクターって 「自分の好きなものがあって、それに向かって突き進む」 っていうのがあるんですけども。
金森には 「それが自分にはない」 というコンプレックスがある。
だから、「金のため~」 とか、プロテクトを掛けながら喋るんですけど、時々こういう本音が出ちゃうっていう。
子供が 「入部します」 って書けば、それで入部できちゃうんだから。
「親に止められてるから入部できない」 ということはないんですよ。
これは、精神的に親に属してしまっているからというのに過ぎない。
だけど、その辺を 「そこは違うじゃん?」 みたいなことで説き伏せるのは面倒臭いので、こういう別の理屈をぶち込んで、 「入部がダメなら、部を作ってしまえばいいじゃん」 と言ったという。
「近畿大学みたいな大学を卒業してなんになるんだ!?」 みたいなことまで、俺、言いましたから。
……すまん、あの時の近大SF研のみんな(笑)。
それが熱いんだとすれば、やっぱり熱くはなりますね。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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