岡田斗司夫ゼミからのお知らせ

岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『映像研には出を出すな!』1巻を作者と一緒に徹底解説 2 】 この表現、誰かに伝わりました?」

2018/07/03 06:00 投稿

  • タグ:
  • 岡田斗司夫
  • 岡田
  • ニコ生ゼミ
  • ブロマガ
  • ニコ生
  • 映像研には手を出すな!
  • 大童澄瞳
  • Amazon
  • 解説
  • 視差
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/07/03
───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ6月24日(#236)から、ハイライトをお届けいたします。

動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

─────────────────────────────

 【『映像研には出を出すな!』1巻を作者と一緒に徹底解説 2 】 この表現、誰かに伝わりました?

 今回の記事は、漫画『映像研には手を出すな!』の1巻を作者の大童澄瞳先生と共に1ページずつ解説した様子を文字に起こしたものとなっています。

 単行本と併せて読むと、より一層、楽しめる内容となっています。

 【Amazon販売ページリンク】
 映像研には手を出すな!(1) http://amzn.asia/54UIybN

 ※2018年7月5日22:00までの期間限定で、1巻 丸々無料で読むことが出来ます。

――――――

(11ページ目)
 89d7352f39c8de1fe8f50100bab621850157b0a0


岡田:
 で、「悪漢に追われる少女というのはお宝と大冒険のにおいがしますな」 ということで、興味を持った浅草。

 ここで彼女の言う「面白くなってきやがった」 っていうのは、『ルパン』 ですよね。


大童:
 まあ、そうですね。「やってみましょう」 というところで。


岡田: 
 これ、連載が進むと、こんなに緩い、わかりやすいパロディはやらないじゃないですか。
 
 この時は、まだサービスモードだったんですか?


大童:
 いや、ええと、これは僕が好きなセリフなんですね。
 
 なので、やりたかったというのがあるんです。


 このセリフを書いた時は、実はあんまり気づいてないんですよ。
 
 「あれ? これ、何のセリフだったかな? なんかあった気がするな」と思いながら書いたんです。


岡田:
 オタクによくあるやつですね(笑)。

 ここでの水崎は、一番後ろの席で見ている二人に話しかけて、帽子を借りて最前列まで階段を降りて逃げて行ったので、結構、みんなが注目しているということですよね。

 で、「なんだか知らんが」 「面白くなってきやがった」 と言う2人も、たぶん、階段を降りて行かなきゃいけない。


大童:
 そうですね。


岡田:
 ということで駆け下りて行く。

・・・
(12ページ目)
 1e7781c6a47e642f1bd7c128dd5908166ecb9137


岡田:
 1コマ目は、キャラクターは登場せずにシチュエーションの説明。

 そして、「←図書室」と書かれた張り紙のある柱に隠れる水崎。

 この張り紙、図書室の「室」の字だけが潰れているんですけど、これは何でですか?


大童:
 これはおそらく、「学生が書いたから、下手くそだった」 んでしょう。

 一番下の矢印を最初に描いて、その上から字を書き始めたので、スペースが足りずに室だけが圧縮されてしまったという。


岡田: 
 じゃあ、これを書いた学生が下手くそなだけで、漫画家さんが書いてる途中で 「あ、収まんねえや」 ってなったわけではないんですね?


大童:
 それはないですね。


岡田:
 そりゃそうですよね、そんなミスしませんよね。


大童:
 あはは、結構すると思います(笑)。


岡田:
 で、隠れていたところ、いちご牛乳をヌッと手渡される水崎。

 ここで、お気に入りのものを出してくれるということで、「追いかけてきた人達は敵じゃない」 とわかるわけですよね。


大童:
 はい、そうですね。

・・・
(13ページ目)
 7198fa3d79546a391394ec4cf9642931663cc433

岡田:
 その様子を遠くから見つけた浅草は 「視認した!」 と言う。

 これも 「発見した!」 じゃなくて 「視認した!」 なんですね。


大童:
 この1コマ目って、実は双眼鏡で見た光景なので、レンズが2つあって、それぞれの “視差” を表現しているんですよ。


 階段の手すりのところのズレとか、若干、描いてあるんですけど。
 
 「まあ、そんなところに気づくやつは1人も居ねえだろう」という、はい。


岡田:
 ああ、なるほど! 
 
 この線とこの線の差ですよね?

 f08a35892382af3fcac6f70f2694622187499836

大童:
 そうですね。

 あとは、縦のラインにも若干、差が出てるっていう、ここと、ここの段差とかが出て。

 88b53fead59bb2a1d6d9f5d0437db64d54a3bb2c

 あとは弧を描くようなこういう線がうっすらと。

 2ba4921fd74ab30cf11ed856dd2ef1ea9df1e4e6


岡田:
 双眼鏡のように2つのレンズで見ると、こういう視差が出るんですか?

 俺、知らなかった、へえ。


大童:
 いや、両目で見た時って、脳で、物をこう、1つにまとめるので、「おそらくこうなるだろう」というところで描いてるんですけど。

 よくある、2つの影が並んでいるような双眼鏡の視点描写があるじゃないですか。

 『007』とかでも双眼鏡を覗き込むシーンでは、そういう影が出てきますよね?

 42e185e14d1d4bfaff3a85b497f557c26e43e93c
 
 それを絶対に書きたくなかったんですよ。


 だから、「円をほぼ1つにまとめて、少しだけ視差が出る」という絵を描いたんです。


岡田:
 これ、誰かに伝わりました?


大童:
 いや、誰からも、そんな指摘はありませんでした。


岡田:
 アハハ(笑)。


大童:
 そもそも、僕の中でいけないのが、他のコマの背景を見ていただいてもわかると思うんですけど、切れてたり真っ直ぐではなかったりする緩い線で全体を描いているので、いくらこんな視差を描いたからといって、“誤差の範囲内” になってしまうんですよ。


岡田:
 そうか。

 アシスタントをバンバン使う普通の漫画家だったら、背景も、ちゃんと定規で引いた線になるから、ここでのズレも強調されるんだけど、もともとがフリーハンドで線を引く人だから――


大童:
 そう。

 だから、全く意味がないんですね。


岡田:
 ああ、「この漫画家のいつもの下手な感じね」 ということにされるわけだ(笑)。


大童:
 そうです、そうです。

 そうなってしまうんですね。

 だからおそらく、これには全く意味がないです。

 
 僕が言わなければ誰も気付かない、みたいな。

───────────────────────────────────

動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
http://ch.nicovideo.jp/okadatoshio-archive

───────────────────────────────────

いかがでしたか?

「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

番組内で取り扱う質問はコチラまで!

よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。

みなさんからの様々な質問をお待ちしています

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
     ヤムアキ
     起こしのヤスタカ(FREEex)
     歴史のカオリ(FREEex)
     マグネシウムのタツヤ(FREEex)

───────────────────────────────────


岡田斗司夫
and
Special Thanks To読者のあなた
───────────────────────────────────
Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
───────────────────────────────────
■お問い合わせ
有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501

ブロマガ会員ならもっと楽しめる!

  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。

岡田斗司夫ゼミからのお知らせ

岡田斗司夫

月額:¥550 (税込)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

岡田斗司夫ゼミ

岡田斗司夫ゼミ

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細