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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/06/28
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今日はDMMオンラインサロン【岡田斗司夫ゼミ室通信】から、5月5日 特別講義をお届けします。
「ハモンの本音 『機動戦士ガンダム』より」
ホワイトベースから持ち出した缶詰食料も底をついたので、酒場で食事をとっている。固いパンと水の食事です。
ぎょっとするアムロ。
ガンダムって基本的に演技で見るもんなんです。
で、4コマ目で、目線が下に戻ります。
3コマ目だけ、ななめ向こうをじっと見ている。
ハモンさんはスカーフを取ったときに、目を一瞬動かしてちらっとアムロを見る。
で、ハモンさんの視界がぎゅーっとアムロに寄っていって、アムロが「え?なんだろう?」と見返す。
それは、ハモンさんが一瞬アムロをチラ見したというのを表わしたくて、わざわざ入れてるんですね。
これですね
ハモンさんが何を見ていたのかを、演出としては視聴者に印象付けたいから、次にこのシーンがきます。
ハモンはメニューを見て
男の子がカウンターにいて、パンをかじって水を飲んでいるというのは、他の全員にも見えてるはずなんですけど、見てなかった。
ただの子供だから。
「ふ……そうね」と言ってから、一回、目線を下にはずします。
で、また、ランバ・ラルを見るんですね。
返事しているとき、ランバ・ラルを見ている。
また、ランバ・ラルを見る。
ウソをついているからですよね。
特にアニメ的な演技ではそうです。
だからハモンが男の子を見ていると
これは本当に そう考えてるんです。
だからランバラルに
本心が言えず、ウソを言ったから。
前線にまで一緒についてきて、部下にも慕われるくらいになっている。
そういう意味で、したたかな女でもあるし、愛情深い女でもあるんですよ
だから、「ふ……そうね」って答えてみたんですけど、一瞬目をそらしてしまったんです。
今日はDMMオンラインサロン【岡田斗司夫ゼミ室通信】から、5月5日 特別講義をお届けします。
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「ハモンの本音 『機動戦士ガンダム』より」
(今までのお話)
まだホワイトベースを家出中のアムロ。
ホワイトベースから持ち出した缶詰食料も底をついたので、酒場で食事をとっている。固いパンと水の食事です。
そこへ13名のジオン兵がぞろぞろ入ってくる。
ぎょっとするアムロ。
初めて間近でジオン兵を見ることになります。
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「ハモン様こちらへ」
と言う声に、アムロが「え?」と見てると一人の女の人が入ってきます。
この女の人が、まぁ、めっちゃ優雅にスカーフをはら〜っと取るんですけどね。
画像 https://goo.gl/AAQLBW
ガンダムって基本的に演技で見るもんなんです。
ここで注目すべきは、2コマ目、3コマ目、4コマ目の目線の動きです。
スカーフを取るときに、1コマ目は目を閉じているんですけど、2コマ目で目線は下、3コマ目で目を開けて、ななめ向こうを見てるんです。
で、4コマ目で、目線が下に戻ります。
単に、スカーフを取るのに目をつぶって目を開けただけじゃないんです。
3コマ目だけ、ななめ向こうをじっと見ている。
画像 https://goo.gl/8uEU5G
ハモンさんはスカーフを取ったときに、目を一瞬動かしてちらっとアムロを見る。
で、ハモンさんの視界がぎゅーっとアムロに寄っていって、アムロが「え?なんだろう?」と見返す。
これがもし、単に目をあけただけの演技だったら、1コマ目、2コマ目、3コマ目で終えていいんです。
でも、4コマ目で視線を戻している。
それは、ハモンさんが一瞬アムロをチラ見したというのを表わしたくて、わざわざ入れてるんですね。
じゃあ、ハモンさんは何をチラ見したのか。
これですね
画像 https://goo.gl/9xU8r4
ハモンさんが何を見ていたのかを、演出としては視聴者に印象付けたいから、次にこのシーンがきます。
テーブルの向こうにいるアムロに視線がぐっとより、次にアムロの顔、そして目に、すっと寄っていくのがわかります。
そこにいた、汚いなりをした うらぶれた15才の男の子、誰から見てもただの男の子に、ハモンさんだけは注目したということを表現しています。
(中略)
ハモンはメニューを見て
「何もないのね。できるものを14人分」
と言うと
「なんで14人分なんだ?」
とランバ・ラル。
「1人多いぞ、ハモン」
「あの少年にも同じものを」
とハモン。
ランバ・ラルが「ん?」と言う。
そこでようやっと全員が初めて、アムロの存在に気づくんです。
男の子がカウンターにいて、パンをかじって水を飲んでいるというのは、他の全員にも見えてるはずなんですけど、見てなかった。
ただの子供だから。
(中略)
アムロは、みんなに見られてメッチャ緊張します。
ランバ・ラルが横目でアムロを見て、
「ふふ、あんな子が欲しいのか?」
と尋ねます。
「ふ……そうね」
とハモンは答えます。
これも昔見た時、よくわからなかったシーンです。
(中略)
見てる人間は、セリフ通りに受け取ってしまうからです。
「あんな子がほしいのか?」
と言われた時の、ハモンの顔を見てください。
画像 https://goo.gl/BYrbqR
「ふ……そうね」と言ってから、一回、目線を下にはずします。
で、また、ランバ・ラルを見るんですね。
わかりますか?
返事しているとき、ランバ・ラルを見ている。
一回目線をはずす。
また、ランバ・ラルを見る。
なぜ目線をはずすのか?
ウソをついているからですよね。
人間というのは、ウソをつくときに目線をはずします。
特にアニメ的な演技ではそうです。
ランバ・ラルから見たらアムロは子供なんですよ。
だからハモンが男の子を見ていると
(お前、あんな子供が欲しいのか。 いやぁ、俺、戦争で忙しかったから、お前と子供作る時間もなかったよなぁ。ハモンちゃん、俺にベタぼれだよなぁ)と考える。
これは本当に そう考えてるんです。
ところがハモンは (あ、いい男、見つけた!) と思っている。
だからランバラルに
「あんな子供が欲しいのか?」
と訊かれたときに、
「ふ……そうね。」
と答えながら、一瞬、目線をはずしてしまう。
本心が言えず、ウソを言ったから。
たぶん、ハモンという女は、これまで、よりいい男、より強い男を見つけると、そのたびに乗り換えて乗り換えて生きてきた女なんです。
で、ランバ・ラルと出会って、これがもう最後の男だろうと思ってついてきた。
前線にまで一緒についてきて、部下にも慕われるくらいになっている。
そういう意味で、したたかな女でもあるし、愛情深い女でもあるんですよ
でも、ランバ・ラルより強い男の可能性を見つけたら話は別になっちゃった。
天性のカンで (この子は、ランバ・ラルより強い男になるかもしれない) と思ったので、思わずアムロに目線がいっちゃった。
だから、「ふ……そうね」って答えてみたんですけど、一瞬目をそらしてしまったんです。
第19話「ランバ・ラル特攻!」より
**************************************
いかがだったでしょうか?
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