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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『かぐや姫の物語』解説 2 】 タケノコはセ●クスを連想させる場面で急成長する」

2018/05/30 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/05/30
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今回は、ニコ生ゼミ5月20日(#231)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【『かぐや姫の物語』解説 2 】 タケノコはセ●クスを連想させる場面で急成長する


 一番最初、竹林の中から翁が見つけた時のかぐや姫は、“すごく小さな姫君” だったんですよ。

 だけど、家に連れて帰って、それを媼に見せると “赤ん坊” になるんです。


 媼が抱いて歩いて、「ああ、これはおっぱいをもらわないとダメだわ」と言って、橋を渡ろうとすると、お婆さんの媼のおっぱいが張ってしまって、いきなり母乳が出るようになります。

 描写を見ている限り、この媼と翁の間には、子供がいないような感じなんですね。つまり、この媼は、“石女(うまずめ)” という、いわゆる子供を産めない女の人なんです。

 にも関わらず、いきなり乳が張って、おっぱいが出るようになる。

 これは一応、民話とか神話とかではよくある話です。

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 そして、このおっぱいを吸うと、また、いきなり成長しはじめます。

 「なんだか急に重くなりました」というふうに、お婆さんが言うんですよね。

 これ、赤ん坊がおっぱいを吸うだけのシーンだから、僕らは「ああ、それだけのことなんだ」と、ごく自然に受け止めてしまうんですけども。

 これは、一番最初の大きな成長を「赤ん坊がおっぱいを吸うシーン」として見せることで、ミスリードしているんですね。

・・・

 実は、幼少期に “タケノコ” と周りから呼ばれていたかぐや姫には、「セ●クスを暗示する場面でのみ大きく成長する」という特徴があるんです。

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 たとえば、この次にタケノコが大きくなったのは、「カエルを追いかけてる時」なんですよ。

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 まだハイハイもできない状態から、カエルがピョンピョンと跳んでいるのを見て、急に嬉しそうに寄っていきます。

 すると、そのカエルが2匹で繋がるんです。
 
 そうしたら、いきなり成長して、近づいていくんですね。

 これについては、絵コンテにも「急に加速して追いかける」というふうに指示が書いてあります。
 
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 このくっついている状態のカエルというのは何かというと、カエルの求愛行動なんですよ。

 交尾ではなくて、“抱接(ほうせつ)” と言います。


 これ、何をやってるかというと、オスのカエルがメスのカエルの上に乗っかってお腹を激しく抱えることによって、メスのカエルに卵を産ませているんですね。

 そうやって産ませた無精卵の上からオスのカエルが精子をかけることによって繁殖しようとしてるんですけど。


 ただカエルを見て喜ぶ無邪気な姿を描きたいのなら、こんなものをわざわざ描かなくていいんですよ。

 普通にカエルだけを描けばいいのに、わざわざ絵コンテにも「抱接をしているカエル」という指示があるんです。

 そして、それを見た瞬間に、タケノコは、それを捕まえようとして、いきなりハイハイをして、その後、立ち上がって歩いてしまいます。

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 タケノコは、カエルのオスを捕まえると翁に渡します。

 おじいさんは、わけがわからないから、ただ「ああ、いい子だいい子だ。急に大きくなったな」と言って笑うんですけども。

・・・

 このカットの後、それを庭から見ていた村の子供達が「なんだ? あいつ急に大きくならなかったか? 急に大きくなったよな。変だよな。まるでタケノコみたいなヤツだ。ターケノコ! ターケノコ!」と言って囃します。

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 で、村の子供達に囃されたタケノコは、また大きくなるんですけど。

 これを見たらわかる通り、ここでタケノコを囃す村の子供達は、全員 “男の子” なんですよ。


 この後にも、村の中のシーンは結構出てくるんですけども、基本的にタケノコと絡んで遊ぶ子供達というのは全員 男子なんですね。

 もちろん、村には女子もいるんですけど、画面から巧みに外されていたり、「一緒に遊ばない」という設定になっています。


 こういうところからもわかる通り、タケノコというのは、ずーっと周りに男性を侍らせている、いわゆる “サークルの姫” 状態なんですよ。

 これも、普通に見ていたら、まず気付かないことなんですよね。

 僕らは、画面の中に、こういうふうに「おちんちんを放り出した男の子がいる」ということには気付いても、「この中には女の子が1人もいない」ということには、なかなか気付かない。


 子供達が「ターケノコ! ターケノコ!」と囃すと、おじいさんは一生懸命「姫、姫!」って呼び掛けるんですよ。

 そして、おじいさんと男の子達という両方の男性から同時に呼ばれることによって、タケノコはまた何センチか急に身長がグググっと伸びるんです。

 こんなふうに、「男と交わることによって、彼女は成長する」と、しっかり描かれているんですよ。

・・・

 タケノコは、その後、何日かして、本当にあっという間に成長していくんですけども。

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 これを見てください。これは、じいさんと一緒に竹林に行って、竹を取る手伝いをしているタケノコですね。

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 翁から「危ないから向こうに行ってなさい」と言われた時のタケノコは、まだ着てる服がブカブカです。

 袖も手首まであって、裾も足首の辺まであります。

 ところが、イノシシの子供と遊んでいたタケノコは、うっかり母親のイノシシに襲われてしまいます。

 そこを危うく捨丸兄ちゃんに助けられるんですけども。
 
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 捨丸兄ちゃんに抱きかかえられるようにして藪に落ちたタケノコは、あっという間に大きくなっているんですよね。

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 捨丸兄ちゃんも、「あれ? お前、急に大きくなってないか?」というふうに驚くんですけども。

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 タケノコが成長して、かぐや姫と呼ばれるようになってから、「あの頃に帰りたい。野山の中に帰りたい。みんなと一緒に」とか うったえるんですけども。

 ここでいう「みんな」とか「あの頃」というのは、“男の子ばっかりの世界” であるということが、こういった描写から分かるんです。

 この作品の中では、「男性社会の中で、かぐや姫という1人の女の人権が、いかにして侵されていったのか」という女性問題的なテーゼがわかりやすく描かれているんですけども。それと同時に、高畑勲は「かぐや姫というのは、実は、小さい頃から男ばかりを相手にしてるような女なのだ」ということも、わかりにくくも、しっかり描いているんですよね。

 まあ、それは本人の性というよりも、おそらく、かぐや姫が地球に持ってこられた時に植え付けられた属性とか能力みたいなものとも関係しているんじゃないかと僕は考えてるんですけど。

 これについては後でゆっくり話します。

 とりあえず、「画面の中から慎重に女子が外されている」ということだけ覚えておいてください。

・・・

 次の成長は、水浴びのシーンです。

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 子供たちで水浴びをしている時に、男の子たちが「こっちこいよ!」と言うんです。

 そう言う男の子たちは全員、素っ裸です。

 つまり、「女のタケノコが裸になるなんて、恥ずかしくてできないだろう」と男の子たちは思っているんですね。

 しかし、呼ばれたタケノコは、もう本当にためらいもせずに素っ裸になって、水の中にドーンと飛び込むんです。

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 素っ裸で飛び込んだタケノコを見た男の子たちは「えー!?」って見てるんですけども。

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 水から出てきたタケノコは髪の毛も伸びて、美少女になってるんですね。

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 これもやっぱり「男に裸を見せると成長してしまう」ということなんですね。


 カエルの抱接を見たら成長して、男とおじいちゃんに交互に呼ばれたら成長して、捨丸兄ちゃんに抱かれたら成長して、村の男の子たちに裸を見せるとまた成長するという。

 もう言い逃れができない状態になってるんですね。

 かぐや姫というのは、このように極めてエロティックな……というか、性的な話です。

 
 ちなみに、このシーンでは、一応、端っこの方に赤ちゃんを抱えた他の女の子も言い訳みたいに立っているんですけども。

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 この女の子は、ここでは何も活躍しません。

 他にも、後で村の中で藁とかを叩いている女の子なんかもいるんですけど、タケノコはその女の子たちの仲間に入ろうとせずに、すぐに男の子たちと一緒に遊びにいっちゃったりするんですね。

・・・

 男の子と一緒に遊びに行ったその先で起きたのが、キジ事件です。

 捨丸兄ちゃんがキジを捕まえて殺します。


 ここでの捨丸兄ちゃんは、本当に見事に「獲ったどー!」のポーズをちゃんとしてくれるんですけども(笑)。

 「危ない」と言われているにも関わらず、タケノコが兄ちゃんのところに行くと、そこから落ちてしまい、捨丸兄ちゃんに抱きかかえられます。

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 この時、タケノコは、捨丸兄ちゃんに おっぱい の部分をまともにガッと掴まれるんですけど。

 するとまた、あっという間に髪の毛が伸びて、「え? お前、また、デカくなってないか?」と捨丸兄ちゃんに言われてしまうことになります。

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 これも、「気になる男とくっつくと、更に成長が早くなってくる」ということですね。


 『かぐや姫の物語』を見ていると、ついつい「前半は幸せだったかぐや姫は、後半からは男から欲望の対象にされた」というふうに見えがちなんですけど。

 実は、前半の最初から “そういう世界にいる存在” だったことが、ちゃんと描かれているんですよね。


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